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〈はぐ〉孤育て――心の支えはツイッター

2010年8月10日15時13分

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写真《お散歩なう》。近くの公園で携帯電話からツイッターでつぶやく池田紗也香さん=東京都大田区

 午前4時。3カ月になる長男の泣き声で起きた東京都大田区の池田紗也香さん(31)は携帯電話に手をのばした。

 《夜中の授乳ナウ(今、夜中の授乳をしています)》。ツイッターでつぶやくと、《おつかれ〜》、《ねむいよね》。同時刻に授乳中の全国の見知らぬママたちから、即座に反応が返ってくる。

 妊娠9カ月で勤めていた会社を辞め、4月に出産した。同い年の夫は毎晩帰宅が遅く、出張が週に2回入ることもある。平日は母子2人きりの時間がほとんどだ。

 抱っこしてやっと眠った長男を布団に寝かせると、また泣き出す。この繰り返しで、家事はおろか自分の食事もままならない。うつうつとしていた時、ツイッターで《ダッコオアクライなう(抱っこしていないと泣く)》というつぶやきを見て、気持ちが楽になった。つらいのは、自分一人じゃないんだ――。

 初めての育児に不安は尽きない。携帯画面の向こうにいる、今まさに子育て中のママたちが、一番の相談相手だ。

 大阪人間科学大の原田正文教授の調査では、4カ月児の親で「世間話をしたり赤ちゃんの話をしたりする人が近所にいない」と回答した人は約32%。20年で倍増した。

 「孤育て」が広がる。

 1歳4カ月の長女がいる古橋優子さん(36)は6月に娘が肺炎になり、2週間入院。病院に泊まり、つきっきりで看病した。

 今春、夫の転勤で名古屋市に引っ越したばかり。心の支えはツイッターだった。《娘が薬を飲まない》とつぶやくと、《アイスクリームに混ぜたらどう?》とアドバイスをくれたり、《無理しないで》と体を気遣ってくれたり。初めての土地での入院も、心細さを感じることはなかった。

 ツイッターは140文字以内という字数制限がある。短い字数でつぶやくことで、自分自身を客観的に見ることができたという人もいる。

 川崎市の主婦、入江ゆうこさん(32)は、5歳と3カ月の2児の母。産後に母がカロリーの高い菓子パンを買ってきた時、「乳腺炎になるから食べられないのに」と涙が止まらなくなった。

 《産後うつキタかも。菓子パン買ってこられただけで大泣き》。こう書き込んでみて気づいた。「私、大したことないことで何で泣いているんだろう。でも、こんなどうでもいいことで落ち込んだりするんだよね……」

 自分と向き合えたことで、立ち直るまで時間がかからなくて済んだと感じている。(杉山麻里子)

     ◇

■ツイッターに救われたことは?(ツイッター利用者への朝日新聞のアンケートから)

長女が3カ月のフリーライター(27)=広島県

夫の帰りが遅く、「子どもの入浴方法に困っている」とつぶやいたら、多くのママから「うちはこうしてますよ」と返信をもらった

3歳の長女と、8カ月の双子の男の子がいる主婦(31)=愛知県

3人の子を連れての外出は難しいが、だれかに話を聞いてほしいと思うことがある。ツイッターはすぐに反応が返ってくるので心強い

長男が2カ月の歯科衛生士(31)=埼玉県

孤立しがちな育児生活を同じ境遇にいる見知らぬ人たちと共有している感じ。140文字でノイローゼ知らずです

長女が5カ月の主婦(30)=オーストラリア

友だちは未婚だったり子どもがいなかったりで愚痴を言いにくい。ツイッターには同じ悩みを抱えた人がたくさんいて、寂しくない

3歳の男女の双子がいる会社員(37)=東京都

壁紙を破く、障子を壊すなど子どものいたずらに悩んでいたが、「つぶやくネタができた」とポジティブに考えられるようになった

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