白石昌則さん白石昌則さん

話せば味方増えますよ

いじめを受けた経験は、人をやさしくさせます。少なくとも、痛みを知るあなたが誰かをいじめることはないでしょう。もし誰かがいじめられていたら、どんな偉人の名言よりも説得力のある、救いの言葉をかけてあげることができるでしょう。あなたは世の中に必要とされているんです。

独りで考え込んでいる場合ではございません。ましてや死のうとしている場合では全くございません。

と言ってはみたものの、いじめられている本人は本当につらいのだし、「いじめを乗り越えればやさしくなれる」と言われても、簡単にはいきませんよね。

どうでしょう。その悩みを誰かに打ち明けてみては。いじめられることは恥ずかしいことじゃありませんよ。ささいなきっかけで誰にでも起きうるんです。

あなたが受けたいじめを知れば、世の中のほとんどはあなたの味方をします。話せばどんどん味方は増えます。いじめが解消され、あなたが他の子を助ける側に回ってくれたら、どんなに心強いことでしょう。

2005年、大学生の相談に私が答える問答集「生協の白石さん」が出版されました。その中に「もういやだ死にたい」という学生の相談があります。私はこんな回答を載せました。

「人間は他人の生死に関し、呆(あき)れる程(ほど)、無力で無関心なものです。本人にとっては深刻な問題なのに、何だか悔しいじゃないですか。生き続けて、見返しましょう!」

これが学生の心にどれだけ響いたか、私には分かりません。あなたなら「死にたい」という学生にどんな回答をしますか。きっと、もっともっと温かい言葉になるような気がします。(「生協の白石さん」著者)