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いま子どもたちは

KYな人にはなりたくない 美希・16歳 つながる―3

2011年2月12日11時43分

 仲良しと思っていた友達に陰口を言われているのを知った。悲しい気持ちをすぐに親友に伝えたい。そう思いながら、美希さん(16)は電車とバスを乗り継いで千葉県の私立高校に登校した。

 校舎3階の教室に入ると、親友はすでに他の友達数人と談笑していた。2人きりになるまで我慢することにした。

 「1年ごとにクラス替えがあるので、みんなといっしょなのはたった1年。一日一日無駄にしたくないんです」

 みんなの前で悲しい気持ちを話すことは、会話のテンションを下げる「無駄なこと」。空気が読めない「KY」な人、と思われてしまう。

 「トイレ、行こう」。美希さんはタイミングを見計らって、親友に声をかけた。話の輪から1人を連れ出す行為も、KYと言われかねない。だが、彼女たちにとってトイレは複数で行くべき場所だから、許される。廊下で2人きりになって初めて、陰口のことを親友に打ち明けた。

 ふだん友達と話すときも気は抜けない。何げなく面白い話をして盛り上げたいから、こんなことを言ってみる。「きのう新幹線に乗ったら……」。実際に乗ったのは在来線。盛り上げるために小さなうそを交ぜるのは「盛る」といって、よくあること。「『あるわけないじゃん』という盛りは、うざがられます。ずっと盛りっぱなし、というのも嫌われますね」

 うまく話を盛れずに会話を盛り上げられないと、いつも一緒のグループの中にいづらくなる。仲間外れにされるケースもあるという。

 もちろん彼氏にも気を使う。連絡をとる時も、いきなり電話をかけたりはしない。まずは「今、空いてる?」と携帯電話にメールを打つ。「彼の負担にならないように軽く言うようにしています。連絡を取ることが重荷になってほしくないんで」

 最も盛り上がる話題である恋愛話(コイバナ)も注意が必要。聞かれてもいないのに彼氏との楽しかった思い出を話すと、うざがられたり、嫌みになったり、反感を買うという。

 もともとはマイナス思考に陥りがちなタイプ。友達と会う時は、気持ちを奮い立たせてテンションを上げている。どーんと落ち込むことができるのは、うちの風呂の中だけだ。(増谷文生)

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