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いま子どもたちは

神友・心友・深友・新友、使い分け 華恋・12歳 つながる―8

2011年2月12日12時5分

写真華恋さんが友人からもらった手紙=遠藤啓生撮影

 「親友」が、消え始めているらしい。

 きれいに折りたたまれた小さな紙片を開くと、何度もなぞって太くした字がペンで書き付けてあった。

 〈To神友かれんへ〉

 千葉県の中1、華恋さん(12)が、いま一番の仲良しから授業中にもらった手紙だ。「神友」は「しんゆう」と読む。「『神友』はちょっとおちゃらけた感じで使います」。淡々と説明してくれた。

 いま、女の子の間で「しんゆう」は一つではない。

 例えば華恋さんが一番多く使うのは「心友」。「神友」の手紙をくれた子にしか使わない、特別な言葉。「深友」は、いとこや付き合いの長い人。まれに「新友」も使う。

 「親友」じゃ、だめ? 「だって『親しい友達』って意味だから、みんな親友になる。それじゃ物足りない」

 同じ学年のリナさんは「みんな『しんゆう』って言葉を使いすぎだと思う」と、ちょっと不満げだ。級友は、例えばふざけている時に「うちら親友だもんねー」と言う。大して仲良くなくても「親友」を使う。それは一種の優しさ。でも、あまりに使いすぎて「すごく軽い感じ」とリナさんは言う。「一人だけと仲良くしてたらみんなの輪に入れないから、分かるけど……」

 そういえば、今どきの子どもは、友達にとても優しい。

 ある小6の女の子の携帯電話を見せてもらったら、連絡先のグループ名のひとつに「らびゅ友(とも)」とあった。「らびゅ」とは「love you」。仲良しグループの連絡先かと思いきや、「とりあえず番号を知ってるだけっていう人たち」だと言う。

 彼女が進んで携帯電話を見せない限り、登録された本人は「番号を知ってるだけ」と分類されているとは知りようがない。それでも傷つけないように「らびゅ」とつける。そして、そのひとつ上に「神友」グループがあった。

 「大辞林」の「親友」の項目を見てみる。「互いに信頼し合っている友達。きわめて仲のよい友達」

 女の子たちは多くの友達に優しさを与え合ううち、「仲のよい友達」を表す言葉を別に作らなくてはならなくなったのだろう。「しんゆう」は、まだまだ増えるのかもしれない。(原田朱美)

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