イラン南東部で発生した大地震の被災者を救援するため、政府の国際緊急援助隊医療チームの先発隊の医師ら5人が27日午前、成田空港を出発した。非政府組織(NGO)や特定非営利活動法人(NPO)の医師や救助犬も現地に向かう。
政府が派遣するのは国際協力機構(JICA)の医療チーム。医薬品や通信機器を持ち、フランクフルト経由でイランに向かう。29日には後発隊約20人が出発する。
また、英国の備蓄倉庫から、6人用テントや毛布2000枚、発電機、簡易水槽などの援助物資も送るという。
JICAによると、現地は気温がマイナス7度まで低くなる厳しい気象条件だが、状況によってはテントで野営して活動をする可能性もある。海外の大地震による派遣は5月のアルジェリア地震以来という。
団長の熊谷裕之・外務省国際緊急援助室事務官は「首都テヘランから離れており、通信も途絶えている。後発隊が来るまでに被災状況を調査し、医療活動ができる場を確保したい」と話した。
阪神大震災をきっかけに発足したNPO法人「日本レスキュー協会」(兵庫県伊丹市)も、スタッフ6人と救助犬3頭が成田空港を出発した。ドイツ経由でテヘランに入る予定で、情報収集をしながら被災地バムをめざすという。
同協会は「現地からの報道を見ると、がれきの下敷きになった人が大勢いる。救助犬の力で一人でも多くの人を助け出したい」と話している。
NGO「ピースウィンズ・ジャパン」(東京都世田谷区)は27日午後の飛行機で2人を派遣した。現地では、毛布や食糧など支援物資の配給をする予定で、増員も検討している。
海外での医療支援活動を続けているNPO法人「AMDA(アムダ)」(岡山市)も医療スタッフの派遣を決めた。
(12/27 13:30)
|