イラン南東部ケルマン州の古都バム市で起きた大地震で、28日までの救助活動により、倒壊した建物から約1000人が救出された。国営テレビが伝えた。だが、ムサビラリ内相は同日、地震による死者は2万人を超えると断定し、すでに1万5000人が埋葬されたことを確認した。生存率が落ち込む分岐点とされる地震発生から「72時間」が迫っている。
ハタミ大統領は27日夜のテレビ演説で、生存者の救出活動を急ぐよう軍や警察など関係機関に指示したと強調し、近く被災地を訪問する意向を示した。また、ムサビラリ内相は28日、「地震から50時間が過ぎたが、生存者を見つけるわずかな希望はある」と、国際社会からの支援に感謝の意を伝えた。
国営イラン通信によると、28日までに、トルコ9機、サウジアラビア4機、スイス3機、ロシア2機など、20カ国以上から計45の輸送機がケルマン空港に到着し、救助活動が本格化している。米国からの救助隊も同日未明、被災地に入った。
だが、市内の狭く入り組んだ道路や、崩れやすい泥壁の建物の構造に阻まれ、救助作業は難航している。AFP通信によると、フィンランドの救助隊員は「がれきの下で生存している人は多くないだろう」と語った。
それでも、救助犬を使った捜索で約20人が救出されたのをはじめ、これまでに約1000人が倒壊した建物から助け出された。国営放送は28日、被災地から国内の他の都市の病院に移送された負傷者は約2万人にのぼると伝えた。
(12/28 21:02)
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