大地震に見舞われたイラン南東部ケルマン州の古都バムは発生4日目の29日、20を超える国の援助関係者数百人が捜索活動を続けるなか、同日朝までの24時間に、21人の生存者が救出された。このうち生後6カ月の女児は、死亡していた母親に抱かれた状態でがれきの下から発見された。国営イラン通信が伝えた。発生から72時間以上が経過し、生存者の見つかる可能性が低くなる中、救助関係者は行方不明者の救出活動から、負傷者の治療や生存者への生活支援に重点を移し始めている。
救出された女児はナジームちゃんといい、医師の話によると、容体は良好という。発見時、ナジームちゃんは母親の両腕にしっかりと抱かれており、ほかの家族は母親を含め全員死亡していたという。
外国の救援活動を調整する国連の担当者アライン・パッシェ氏はロイター通信に対し、「もう1日(29日夜まで)は生存者の捜索を続けるが、その時点で、さらに続けるかどうかを見極めたい」と述べた。AFP通信によると、外国から入った捜索チームの一部はすでに引き揚げ始めた。
現地では、遺体を包む袋が不足し、毛布にくるまれた遺体を重機で掘った穴に埋めている。このため、衛生状態の悪化が懸念されている。
保健省は、これまでに地震で負傷した1万1500人がイラン各地の病院で治療を受けたと発表した。最終的な犠牲者数は3万〜4万に達するとの見方も出ている。
最高指導者ハメネイ師は29日、バムを訪ね、被災者を前に「悲しみを分かち合っている」と述べた。ハタミ大統領も同日中に現地を訪問し、被災者や救助関係者と会った。現地では、救援物資の到着が遅いとの不満が被災者の間で高まっている。
(12/29 22:10)
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