米国務省のエアリー副報道官は2日の記者会見で、米政府がイラン地震で現地派遣を検討していた高官レベルの人道目的使節団について、イラン側が受け入れを拒否すると回答してきたことを明らかにした。
使節団は米国赤十字社の代表などを務めたエリザベス・ドール上院議員(共和)を団長とし、訪問が実現すれば、79年の米大使館占拠人質事件以後、最高レベルの派遣団になる予定だった。
同副報道官の説明では、イラン側は「バムで起きた大地震の被災者救援活動が続くなか、そうした訪問は一時的に保留する方が好ましい」と現時点での使節団受け入れに難色を示した。
イラン側が受け入れを拒んだのは、地震の対応で受け入れ態勢が整わないとの理由に加えて、核開発の完全中止など厳しい条件を掲げるブッシュ政権との関係改善になお慎重な姿勢を崩していないためとの見方もある。
米政府は、20年以上も断交状態が続くイラン側に「関係改善」へのシグナルを送っていたが、本格的な関係改善にはまだ時間がかかりそうだ。
(01/03 19:28)
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