ホワイトハウスのマクレラン報道官は19日、イランの核開発疑惑で「以前に申告していない活動がある」と述べ、イラン側の対応に懸念を表明した。米主要メディアは同日、イランの核関連施設で国際原子力機関(IAEA)の査察官が、ウラン濃縮に使用できる未申告の遠心分離装置を発見したと相次いで報じた。報道官の発言はこうした内容を指すものとみられる。
米紙USAトゥデーなどによると、装置はテヘラン郊外にあるイラン空軍基地内で見つかった。濃縮効率の高いP2と呼ばれる改良型のガス遠心分離装置だという。
イラン政府は昨年10月、英仏独に対し、核査察や情報提供面でIAEAへの全面的な協力を約束しており、未申告の機材だとすれば、秘密裏に開発を続けようとしていた可能性が出てくる。
マクレラン報道官は報道について「深刻な懸念を抱いている」と述べ、パキスタンからの核技術流出の中心になった科学者カーン博士とその周辺が「イランに、旧式だけでなく、改良型の遠心分離装置のデザインも提供していた」との米政府の見方を示した。
ただ、バウチャー国務省報道官は「IAEAが装置を発見したかどうかを(米政府としては)確認する立場にはない」と述べ、IAEAのイラン査察報告書を踏まえて事実関係の確認を急ぐ考えを示した。
(02/20 12:24)
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