イランがパキスタンから入手した設計図を基に、高性能の遠心分離器約1000台を保有していたことが、国際原子力機関(IAEA)の査察で判明した。IAEA筋が24日、明らかにした。朝日新聞が24日入手したエルバラダイ事務局長の報告書では、核爆弾の起爆用に使われるポロニウムも発見され、相次ぐ未申告の核活動に、3月の理事会では米国を筆頭に、イラン批判が強まるものと見られる。
同筋によると、発見された遠心分離器はP2型と呼ばれ、ナタンズのウラン濃縮施設で使われているP1型の2倍の効率でウランを濃縮できるという。多くは部品の形で見つかったが、一部は組み立てられていた。
遠心分離器発見の端緒となったのは「パキスタンからは、イランにもP2型が提供された」とするリビアからの情報。IAEAは、イランが昨年12月に署名したばかりの「追加議定書」に基づき、イラン国内の施設数カ所を査察、発見に至った。イラン側は設計図を94年に入手、「実際にウラン濃縮はしていない」としているが、IAEAは環境サンプルを採取し、真偽を確認している。
査察の過程で見つかった放射線物質ポロニウムは、ベリリウムと合金にすると連鎖反応を起こすための中性子源となり、核兵器の起爆装置に使われる。イランは「原子力発電など、別の用途に使った」と説明している。
(02/25 03:02)
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