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イラク攻撃を防ごうと、バグダッドに「人間の盾」志願者が集まっている。発電所など空爆目標になりそうな施設に居座る計画だ。25日現在、欧米など約20カ国の300人余り。イラク政府は宿泊を無料にするなど便宜をはかる。外務省によると、現地入りした日本人14人が参加を望んでおり、同省は「危険だ」と考え直すよう説得している。
最大グループ「ヒューマン・シールド」のシンボルはロンドン名物の2階建て赤バスだ。2台が英国から約5000キロを3週間かけて走破し、15日にバグダッド入りした。
発案したのは米国人で元海兵隊員のダイビングインストラクター、ケン・オキーフさん(33)。「昨年12月15日、アムステルダムに滞在していた時に思い立った。電子メールなどで『戦争を止めるため現地へ行こう』と呼びかけたんだ」
英国の主要紙などで報道され、賛同者が集まった。グループは市中心部のアパートをほぼ借り切り、本部にしている。ほかに三つの宿舎も確保した。
計画では、空爆の標的となりそうな施設にメンバーを送り、24時間寝泊まりする。すでに、市中心部から約10キロ南の発電所や石油精製所、水道施設、食料倉庫を選んだ。ほかの施設もリサーチしている。
本部となった7階建てアパートのカフェテラスはテニスコートほどの広さ。朝と夜に全体会議があり、毎回、満員になる。「緊急避難」「政治戦略」「ウェブ広報」「参加者受け入れ」など八つの委員会ができた。
電話事情は劣悪だが、ファクス機を備え、パソコンを持ち込んだメンバーが電子メールで日々の動きを伝える。「衛星携帯電話がもっとほしい」との声が上がっている。
国籍や肩書は問わず、自分の責任での参加が決まりだ。22日、初めて日本人が「シールド」に加わった。元東京都国分寺市議の吉村誠司さん(37)。「非同盟学生青年会議」(議長・インド代表)の招待を受けて東京の市民団体が募った訪問団の一員として、17日から10日間の予定で来た。
阪神大震災のボランティア団体「神戸元気村」の副代表も務めた吉村さんは「来てみて、肌で分かることがある。国境を超えた欧州発の運動に、東洋の日本人が入ることに意味があると思う」と話した。
捨て身の行動に見えるが、欧米のメンバーは緊急時の詳細な対策も練っている。国外脱出ルートを検討し、移動の車の確保に努めているという。リーダーの一人で赤バスを提供した英国人ジョー・レッツさん(52)は「イラクの人たちとつらさをともにする。究極の方法だが、そうまでしないと戦争を止められない」と穏やかに話した。
イラク政府は、「盾」志願者に入国ビザや滞在延長などで便宜をはかっている。施設利用や宿泊、食事も無料だ。最近、参加者の間から「運動の独立性への疑問を招かないように」と1泊5ドルを負担する提案があった。だが、「長期的な活動がしにくくなる」というメンバーもいて、余力のある人だけ出し、貯金することになった。
東京からの市民訪問団の代表高橋千代さん(62)は出発前、「バグダッドが被爆後の広島のような状況になっても、行く覚悟が出来ていますか?」と警告し、「盾」に加わる場合は個人の覚悟と責任で行動するように呼びかけていた。
(02/26 07:03)
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