英政府で閣外相を務める与党・労働党議員2人が18日、ブレア首相の対イラク政策に抗議して辞任する意思を明らかにした。内務担当のジョン・デナム(下院)、保健政策を担うフィリップ・ハント(貴族院)の両閣外相。前日のクック下院院内総務に続き、高官の離脱が続いている。
ハント氏はBBCラジオで、「国際社会や国民の支持を得ず、強行する先制攻撃に反対だ。政府に残れば、偽善になる」と理由を説明。デナム氏は「イラク政策をめぐる下院の投票で、政府を支持できないため、辞める」と述べた。
一方、イラク問題でブレア首相を無謀と批判し、辞任を示唆していたクレア・ショート国際開発担当相は18日、閣内に残る意向を表明した。ショート氏は「今も政府を批判的に見ているが、今後に起きる問題から逃げるのは卑怯(ひきょう)だと考え直した。批判を覚悟している」と弁明する談話を出した。
議会下院は同日、武力行使容認を目的とする国連決議を断念し、今週中にも軍事行動に踏み切る政府の決定をめぐり、長時間の議論を予定している。討議後、政府などが提案する動議への賛否を問う形で、投票が行われる。与党から120人が造反した前回に続き、大量の批判票が首相を揺さぶる可能性がある。
(03/18 23:31)
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