ブッシュ米大統領がイラクに突きつけた最後通告の期限切れまで1日と迫った18日、湾岸に展開する米英軍28万5千人は攻撃へ最終態勢を整えた。ブッシュ政権は、立ち遅れた外交包囲網の構築に全力を尽くした。パウエル米国務長官は米国支持を表明した国のリストを発表したが日本、英国、韓国、オーストラリアなど30カ国にとどまった。
支持の内容は派兵から基地の提供、領土領空の通過、復興支援などにわたる。91年の湾岸戦争では、国連決議に基づいた武力行使だった上に、多国籍軍参加国だけでアラブ諸国も含めて28カ国を数えたことに比べ、支持の薄さが際立つ結果となった。
パウエル国務長官は記者団に対して「米国を支持するリストに含まれることを公にした『有志連合』は30カ国に及ぶ。様々な理由で公表は望まないが、米国を支持する国がさらに15カ国ある」と述べた。長官はまた、「強い指導者だけが、世論の反対にもかかわらず危険を理解し、このような問題に取り組む重要性を認識している」と述べ、米支持を表明した各国の指導者に謝意を示した。
支持を表明した30カ国の内訳をみると、冷戦終結で米国に恩恵を受けた東欧及び旧ソ連諸国が突出して多く13カ国。ラムズフェルド国防長官が「古い欧州」と呼んだドイツ、フランスは加わらず、米国の隣国のカナダやメキシコも含まれていない。湾岸戦争ではシリア、エジプトなどアラブ諸国も多国籍軍に参加したが、今回は、アラブからの支持はなかった。
日本については、バウチャー国務省報道官が会見で、日本を特に名指しして、軍事行動ではなくイラクの戦後復興で協力すると発表した。
AP通信によると、米国以外は、英国が4万5千人、オーストラリアが2千人、ポーランドが200人の兵力提供を表明したほか、アルバニアが非戦闘要員として70人、ルーマニアが地雷除去や生物・化学兵器の汚染除去、憲兵隊要員などに278人を提供する。
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<対イラク戦争で米国支持を表明した30カ国>
(国務省発表、アルファベット順)
アフガニスタン、アルバニア、オーストラリア、アゼルバイジャン、コロンビア、チェコ、デンマーク、エルサルバドル、エリトリア、エストニア、エチオピア、グルジア、ハンガリー、アイスランド、イタリア、日本、韓国、ラトビア、リトアニア、マケドニア、オランダ、ニカラグア、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペイン、トルコ、英国、ウズベキスタン
(03/19 11:27)
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