ポーランドのクワシニエフスキ大統領は18日、イラクで大量破壊兵器が発見されていない状況について「我々はだまされた」と述べ、米国を批判した。ポーランドは親米国で昨年3月のイラク戦争開戦時に戦闘部隊を派遣し、戦後も治安維持に全面協力している。
ワルシャワからの報道によると、大統領は仏記者団との会見で「大量破壊兵器に関する情報でだまされたことに、不愉快さを感じている」と述べ、別の記者会見で「これは米英と、他の多くの国々の問題だ」と指摘した。
イラクからの撤兵時期についても、従来表明していた「05年半ば」より早く「05年初め」となる可能性に言及した。
スペインの撤兵方針表明で、米国寄りの「新しい欧州」の一角が崩れ、ポーランドは欧州で孤立する可能性が出ている。一方、イラク復興事業での受注増や渡米者へのビザ基準緩和といった米国への要求は満たされていない。このため、もともと派兵に反対の声が半数を超えていた国内の不満は高まっている。
大統領の発言は5月に欧州連合(EU)加盟を控え、米欧間のバランスを考慮して、軌道修正を図ったとの見方も出ている。
反響は大きく、米国では政府首脳が両国関係の不変を強調するなど対応に追われた。クワシニエフスキ大統領は19日、ブッシュ米大統領から電話を受けると、「ポーランド軍は、必要とされるよりさらに1日長くイラクにとどまる」と確約したという。
(03/20 02:16)
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