駐留米軍を標的にした攻撃が常態化しているイラクで、ストレスなどにより自殺する米兵が相次いだのを受け、米軍は兵士らの「心のケア」に躍起になっている。今年に入り自殺者は減少傾向にあるとされるが、米軍は精神衛生を専門に扱う四つの部隊を配置するなど予防策に追われている。
25日に公表された実態調査によると、イラク戦争に絡む米兵自殺者は昨年1年間で少なくとも23人。「非戦闘中の死者」の7人に1人にあたる。
昨年、イラクとクウェートに駐留中に自殺した米兵は10万人のうち17.3人で、米軍全体の平均である12.8人を上回っている。AP通信が専門家の話として伝えたところでは、湾岸戦争時の平均は3.6人、ベトナム戦争時の平均15.6人で、イラク戦争に絡む自殺者数が高水準であることがうかがえる。
駐留米軍のキミット准将は、同日の記者会見で「米兵の自殺者は米軍平均と比べやや高かった」と言及。「(自殺者を)ゼロにするにはさらに段階を踏まなければならない」との認識を示した。野戦病院などに専門部隊を置き、前線の兵士のカウンセリングに応じる態勢を整えたという。
駐留米軍は今年に入ってからの自殺者数を明らかにしていないが、3月に1人が自殺したとの情報がある。米国に帰還してから自殺した人も含めると、その数はさらに増えるとみられる。
(03/28 09:49)
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