パウエル米国務長官は1日、訪問先のドイツで「(イラクへの主権移譲が済む)7月1日に向けて新たな安保理決議が得られるだろう」と述べ、イラクに関する新たな国連安保理決議が6月末の主権移譲前に採択されるとの見通しを示した。米政府高官が主権移譲前の決議採択を支持する考えを公式に示したのは初めて。
ドイツのZDFテレビとの会見で語った。新決議は、移譲後の暫定政権に対する国連の承認▽国連の枠組みによる「多国籍軍」の編成▽選挙実施などでの国連の役割拡大――などが軸になる見通しだ。
パウエル長官は、今後の治安維持で北大西洋条約機構(NATO)が果たす役割について「議論の余地がある」と述べ、2日にブリュッセルで開かれるNATO加盟国拡大式典の際に協議する考えを示した。
スペインの新首相が、同国軍のイラク駐留継続の条件として、国連に主導的役割を与える新決議を求めていることについては「スペインは主権国家だ。我々はその決定を尊重する」と述べ、結果的に撤兵してもやむを得ないとの考えを示した。
米政府は国連に対し、選挙実施などの限定的な分野で協力を求めており、スペイン側の要求とはなお隔たりがあるとみられる。国連側も国外に撤退している国際要員の復帰に時間がかかるとの見通しを示している。
(04/02 14:42)
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