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日本の世界遺産

「我こそ世界遺産」自薦24組選考待つ 23日に候補地

2007年01月04日17時27分

 世界文化遺産に推薦するための暫定リストに載せる「遺産候補」が23日、文化庁の文化審議会文化財分科会で選ばれる。初の公募に全国から24件の応募があった。住民合意や先発組との差別化などの課題を抱え、選考結果を待つ。

 ■経済効果

 「四国活性化につながれば」

 公募に手を挙げた「四国八十八箇所霊場と遍路道」(四国4県)は、地元経済界が火付け役だ。その中心だった香川経済同友会の森真佐男事務局長は「おもてなし文化」のPRと同時に、経済効果も期待する。

 いい手本がある。04年7月に世界遺産になった和歌山など3県の「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」。

 04年の観光客は03年から79万人増え、経済効果は78億円増――。地元の民間調査機関は、こう試算した。

 「紀伊山地の世界遺産登録後に、登録への陳情が目に見えて増えた」と文化庁もいう。

 文化遺産の候補はこれまで同庁が直接選んできた。公募は今回が初めて。「遺産保全に地元の合意形成が欠かせない」という理由からだ。

 ■維持費の壁

 だが、昨年11月末までの約2カ月間に応募した24件の中には、地元の足並みの乱れも目立った。

 「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)からは、県の当初案に入っていた絹糸紡績所(高崎市)などが抜け落ちた。

 紡績所が遺産登録されると、人件費を含む年間の維持管理費は、市の文化財予算に匹敵する1億5000万円――。高崎市はそうはじき出した。

 県に文化財の維持費の負担などを尋ねたが、明確な回答がないままだったという。「登録後の保全は市が実質担う。旗を振るなら、応分の手当てを示すべきだ」と担当者。

 ■似たもの同士

 すでに遺産登録されたり暫定リストに入ったりした先発組との差別化に悩むところもある。

 「金と銀の島、佐渡」(新潟県)は、01年に暫定リスト入りした石見銀山遺跡(島根県)との違いを打ち出すのが課題だった。

 このため、鉱山開発で移住した人々が伝えた人形芝居や狂言などの芸能から、人口の急増を支えたはえ縄漁業や棚田まで「島の独特な文化」と強調した。98年から登録運動をしていたが、石見銀山に先を越された。地元の佐渡市教委は「資料の保存状況や鉱山の歴史の長さは、佐渡の方が優れている」とPRする。

 ■「先発組」も課題

 広島県廿日市市の厳島神社は、登録された96年の168万人から翌97年には190万人に。だが98年には154万人と再び下落。登録前から有名な観光地だったところほど、観光客の増加は一時的だ。

 ただ、外国人観光客は96年の3万2000人から05年の7万2000人へと徐々に増加。地元の宮島観光協会の浜田敏博専務理事は「世界遺産の効果はじわじわと出てきた」。

 逆に、観光客の急増が新たな問題も生む。95年に合掌造りの集落が登録された岐阜県白川村。

 人口2千人弱の豪雪の村に来る観光客が年140万人に倍増した結果、集落周辺の渋滞やゴミのポイ捨てに悩む。村は「景観を守るための世界遺産なのに、景観に問題が出てしまった」と、集落周辺の車の乗り入れ規制などに取り組む。

 生活上の規制もある。 岩手県平泉町の中尊寺など、奥州藤原氏ゆかりの史跡は昨年12月にユネスコに推薦された。08年の登録を目指す。

 登録を見据え、町は05年1月、景観条例を制定。新築の家は和風建築が原則。史跡からの眺めが変わるような木の伐採は区域の縮小も求める。

 01年の暫定リスト入り前から、町は何度も住民説明会を開いた。「一番大変なのは住民合意」と町の担当者は言う。

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