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日本の世界遺産

奄美・やんばる、国立公園に検討 照葉樹林、後世に

2007年03月05日11時49分

 環境省は、鹿児島県の奄美群島と沖縄県のやんばる地域の2カ所の国立公園指定に向けて検討を始める。両地域に広がる照葉樹林を保護するのが狙い。ヤンバルクイナなど希少な野生生物の生息地としても知られており、将来、両地域を含む琉球諸島を世界自然遺産に登録することも視野に入れて調査に乗り出す。新たな国立公園指定となれば、87年の釧路湿原以来。

 環境省は今春から国立・国定公園制度の抜本的な見直しに着手することにしており、それに先立ち、同省の検討会が近く提言する。国立公園の再編では、環境省は年内にも日光国立公園から尾瀬地域を独立させる方針だが、提言案では、雲仙天草と富士箱根伊豆の両国立公園など複数地域が一つの公園として指定されている場合についても、区域を見直し、名称を分けることを盛り込んだ。

 照葉樹林は、シイやカシなど日光を葉が反射する常緑広葉樹が多い森。かつて国内に広く分布していたが、利用や開発が進み、現在では神社などに散在する程度とされる。まとまった自然林が少ない中、奄美大島や徳之島、沖縄本島北部の東海岸などには比較的広範囲に残っているという。

 これらの地域を含む琉球諸島は、小笠原諸島(東京都)と並ぶ世界自然遺産の国内候補地とされている。小笠原が今年、推薦に向けた国際手続きが始まったのに対し、琉球諸島は登録の前提となる国立公園指定などの保護措置が不十分と指摘されていた。

 環境省は、自然公園法が制定されて今年で50年となるのを機に、提言に沿って、5年間かけて制度を点検する。当初3年間は、他にも新たに指定すべき地域がないかなどの調査を行う。

 国立公園については、利用者の減少や自治体の財政難などでその存在意義が改めて問われているとされる。提言案では、これまで評価の大きなポイントだった景観だけでなく、生物多様性が豊かな地域の利用価値が増しているとして、照葉樹林のほか、里地里山、海域も評価して指定を検討するよう促している。

 奄美群島、やんばるの2地域についても、照葉樹林には希少な野生生物が多い点に注目し、自然を壊さない旅行形態であるエコツーリズムに適しているとも指摘。「優れた自然の風景地として評価すべきだ」と結論づけている。

     ◇

 〈キーワード:国立公園〉 1957年制定の自然公園法では、「国民の保健、休養および教化に資する」ため、政府が「優れた自然の風景地」を指定・管理すると定めている。国定公園は、政府の指定で都道府県による管理。国立公園は現在、全国に28カ所あり、陸域面積は計207万ヘクタールで国土の5.5%を占める。戦後の観光ブームを背景に地元の強い要望を受けて指定されるケースも多かったが、近年の利用者数は減少傾向。04年は92年より6000万人少ない3億5000万人だった。

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