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国土交通省が17日開いた藤井治芳・日本道路公団総裁に対する聴聞の主なやりとりは次の通り。
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山本繁太郎政策統括官 この聴聞は、藤井総裁の解任処分に先立って意見を述べ、証拠を提出する機会を与えるために行うものです。審理の冒頭、行政庁から不利益処分の理由となる内容、根拠となる法令、根拠事実の説明をさせます。
原田保夫道路局総務課長 それではご説明を申し上げます。
小長井良浩弁護士 石原大臣はこの聴聞を何が何でも今日終わる、そして20日には解任をしたいと繰り返し言明していますが、この聴聞は大臣の問答無用の趣旨で行われているのか。
山本統括官 行政手続法にのっとって適格に運営します。
小長井弁護士 それではうかがいます。これは分限処分ですか、懲戒処分ですか。
山本統括官 ご質問の趣旨は日本道路公団法13条の処分基準かと思いますが、それには答えていると思います。
内野経一郎弁護士 分限処分か懲戒処分かの答えが出ていない。それをはっきりしてもらわないと納得できない。
原田課長 公団法13条に基づく処分で、具体的な基準は先ほど申し上げた通りです。
小長井弁護士 今日配られた補足資料は処分理由が、聴聞通知の別添資料と違う。
日原洋文道路局公団監理室長 補足資料は別添を丁寧に説明したものです。
小長井弁護士 財務諸表問題について藤井総裁が一方的な対応をしたとありますが、具体的には何ですか。
(日原室長が国会答弁などでの発言を説明)
藤井総裁 本当に公団が財務諸表を作れると思ったんですか。財務諸表は会計基準がないと作れない。このことは道路局も知っている。ないという答弁を道路局が書いているし、(公団の)監理室へも報告している。前の大臣もそう答弁している。昨年の9月に体制を作り、加古(宜士・早大教授)先生に基準作りをお願いした。作りたくても作れなかった。だからありませんと素直に答えた。
小長井弁護士 別添にある「幻の財務諸表」は公式に通用するものと判断しているのか。
日原室長 それは判断していない。
藤井総裁 気になるのは、私の国会対応が問われているようなんですが、あれはメモ程度のものなんです。それにあなた(日原室長)より私の方が専門家です。学校の専門から言ってもね。工事実施計画を使って勝手に作ったものを財務諸表といえるのかどうか。とてもいえない。我々は道路局に報告し、資料も渡していて、道路局と公団は情報を共有しているんです。それを私は判断していないというのは、ちょっと気になる言葉だと思うんです。「一方的な見解に基づく対応」というが、道路局にも専門家にも相談している。一方的じゃないんです。
日原室長 「幻の財務諸表」の当否は問わず、公団の代表者としてその存在を調査すべきだがこれを行わなかったということです。
藤井総裁 公団はそんなものを持っていないと公表し、国会でも答弁して大臣にも報告しました。しかし、「文芸春秋」で財務諸表はあるという片桐論文が出た。しかし、一度徹底的に調べて、ないという結果を7月25日に出した。その後、「4人で勉強した」という話が出て、すぐに再度調べて8月8日に発表した。組織立ってやっていないと確信しているんです。細かい資料を大臣、事務次官、道路局長にも大臣室で説明しました。
小長井弁護士 総裁の対応の何が一方的だったんですか。
日原室長 事実関係を正確に調査していないということです。
藤井総裁 道路局が一方的と理解するのがわからない。道路局もずっと一緒に情報を共有しながらやっているんです。一方的にできっこないんです。皆連絡して国会対応もやっていて、私の所には根回しが済んだ情報が来るんです。ですからこういう表現はね、およそ一方的です。
仁平志奈子弁護士 総裁はどのような対応を取るべきだったのでしょうか。
日原室長 具体的な調査に早く着手すべきだったということです。
藤井総裁 ちょっと言っておきます。あなたは道路公団の窓口の責任者です。その前に調査したらどうですかとか、指示をなさっていないでしょう。私は聞いていない。そういう気持ちがあるならなぜ指示なさらなかったのですか。
仁平弁護士 藤井総裁に連絡がとれないとあるが、具体的に支障があったのですか。
日原室長 藤井総裁の電話番号は多くの場合つながらず、携帯電話も秘書が持っていると聞いています。
藤井総裁 今の私にはセキュリティーが非常に重要なんです。オフィスでも警察がガードしてくれています。これは異常なんです。私の所には色々怖い電話があって、電話番号を載せるのも慎重にしているんです。そこで公団のオフィシャルな携帯電話を持って、しかるべきポストの人は番号を知っています。今まで1回も支障があったことはありません。大臣からも道路局長からも電話がかかってくるんですから。それにもかかわらず、こういうことになるのは非常に寂しい気がしています。私は「殺すぞ」って言われているんです。だからガードがついている。私は一職員ですよ。それが15分おきにかかってくる。大変なんだから。これは警視総監に聞いてください。
小長井弁護士 連絡が取れないというのは、どういう確実な資料を根拠にしているんですか。
原田課長 公団関係者の証言によるものです。それ以上は明かせません。
仁平弁護士 関係資料にその証拠の調書はありませんでしたが。
原田課長 あるかないかを明らかにはしません。
仁平弁護士 調書があるのに見せないのは行政手続法違反です。調書はないわけですね。
原田課長 ある文書は閲覧に応じています。結果としてないということです。
藤井総裁 私からいろいろな話が出るんじゃないかと期待したかもしれないが、私はそういうことはいわない。私は自信を持って改革を進めてきた。いうにいえない厳しさが押し寄せてきたが、くじけたら改革できない。ただ、長い間、既得権で動いてきた人が圧力をかけてくる。私はバッシングの的になるようにしてきた。いざというときに逃げる人じゃだめだ。改革の本当の芽を味わうことができるのは若い人だ。若い人の考え方で新しい組織をつくらなければならない。私は消えていく世代。自分の地位には全くこだわらない。
内野弁護士 本件は藤井の人権を侵害し、法秩序を破壊する。藤井は完全民営化に賛成して扇前大臣の指導に忠実に、実績を重ねてきた。解任される必然性、合理性は全くない。権力者が恣意(しい)的にクビにするというのでは人事権の悪用、乱用であって無効だ。
同じ自民党政権、小泉政権でクビにされるのでは、公務員は安心して職務についていられない。与党が衆院選を有利に進めるため、藤井を敵役にし、民主党大会の日に辞任要求し、メディアの関心を向けさせた。ブッシュ大統領来日の日に聴聞し、改革内閣を演出した。権力が法を犯せば天の制裁を受けることは必定だ。
山本統括官 聴聞の趣旨は十分達せられたという判断をしております。最後に総裁のお口から直接ご意見を聞かせていただければ。
藤井総裁 私は地位に恋々とする性格ではありません。西郷(隆盛)さんは大勢の人のために自分を死に追いやったわけであります。それと同じように、私は新しく公務員になる人たちが、いろいろな意味での圧力に対して、きちっと国民にわかりやすく、国民の利益を常に考える、そのために身分が保障されているわけですから、そういう生き様をしてもらいたいなあと思って、今回あえて、普通ならば大臣に逆らったり、あるいは昔の仲間とこういう気まずい思いをするというのは本当はしたくないことです。
しかし、いずれ山本さんも原田さんも年を取ります。その時に分かると思います。いかに筋を通すということが大事で、かつ難しいことかということがお分かりになると思います。今回の私の基本的姿勢、姿勢というのは、法的な業務に携わるものが、恣意であったり私的であったりする行動を取る怖さを、私は長年そういう立場にあり、見て参りました。私が目を覆いたくなるような行動をした、または行動をしている人もいないわけじゃないんです。やはり、みんなが自分で自分の身を処して、国民の利益と国民の目で信頼を得るような、そういう人生を歩んでもらいたいという気持ちで今回おりました。それはあなた方が現役ですから、権力を持っていますから、権力を持っている人間が、その行動いかんによって、どのぐらい怖いことかということをよく分かっといてください。私も権力を持っていましたから、常に自分を慎むように努力してまいりました。あなた方は権力を持っているんだ、権力を持っているんだ、その怖さをよーく分かってください。それだけです。終わります。
山本統括官 ありがとうございました。以上をもちまして本聴聞を終了いたします。
(10/18 09:13)
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