イラクの武装グループによる人質事件で、日本人3人が無事解放されたのを受けて、朝日新聞社は16日、緊急の全国世論調査(電話)を実施した。事件への日本政府の対応について、64%が「評価する」と回答した。犯人側からの自衛隊撤退の要求に応じなかった姿勢には、73%が「正しかった」と受けとめた。しかし、自衛隊派遣を今後どうするかでは「続けるべきだ」は50%にとどまり、「撤退すべきだ」も32%あった。米国のイラク政策を「評価する」が今年1月の調査から大幅に減って12%となった。
人質事件で、政府は「テロに屈しない」として武装勢力の要求を拒む一方、救出策を模索した。こうした一連の取り組みを「評価しない」が22%と、「評価する」を大きく下回った。「評価する」は支持政党別でみると、自民支持層の8割近く、公明支持層で約7割を占め、民主支持層でも6割に達した。
自衛隊を撤退させない方針を貫いた政府の姿勢を「正しくなかった」と見る人は16%にとどまった。
イラクへの自衛隊派遣の今後については、自民支持層の6割以上が派遣の「継続」を求め、民主支持層では「継続」「撤退」が二分された。
それぞれの理由を選択肢から選んでもらったところ、「継続」では「イラクの復興に役立つ」が最多で57%あり、「犯罪やテロに屈してはならない」が21%で続いた。「撤退」では「戦闘やテロに巻き込まれる」が47%、「派遣自体に問題がある」が39%を占めた。
米国のイラク政策には71%の人が「評価しない」と答え、今年1月の63%から増えた。「評価する」は1月の21%からほぼ半減し、12%となった。
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〈調査方法〉 朝日RDD方式で千人目標の電話調査。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答数は820件で、回答率は48%。
(04/16 23:39)
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