イラクで武装グループに拘束された香田証生さんの解放に向け、政府は27日、米国やイラク暫定政府など関係国に支援を要請した。政府はザルカウィ氏が率いるグループの犯行とみているが、同グループとは同日夜まで接触できておらず、犯行声明以外の情報は得られていないという。
小泉首相は同日夜、首相官邸で記者団の質問に答え、「関係国はじめイラクにも日本をよく理解してくれている人もいるので、無事救出に向けて努力したい」と述べた。首相は武装グループが求める自衛隊撤退には応じないと明言しているが、基本計画で定めている12月14日までの派遣期限を延長するかどうかは「状況を見極めて総合的に判断しなきゃいけない」と語るにとどめた。
町村外相は27日、パウエル米国務長官、ストロー英外相、イラク暫定政府のアラウィ首相とジバリ外相に相次いで電話し、支援を要請した。アラウィ首相は「早速、対応に着手しており、関係当局に指示した。事件解決に全力を尽くす」と応じたという。
政府は犯行グループについて「基本的にはザルカウィが率いる過激な組織」(高島肇久外務報道官)とみている。細田官房長官は記者会見で「その組織と連絡をとらなければならない。何らかの要求や連絡があるのが普通だ」と、これまでのところ接触できていないことを明かした。
政府は在ヨルダン大使館内に現地対策本部を設置し、指揮をとるために谷川秀善外務副大臣をヨルダンに派遣した。
(10/28 00:42)
|