イラクで武装グループに拘束された福岡県出身の香田証生さん(24)の母節子さん(50)と兄真生(まき)さん(26)が28日上京し、中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」東京支局で、香田さんの解放を訴える収録をした。29日未明、アルジャジーラは訴えを放送した。武装グループ側が設定した自衛隊イラク撤退の48時間の期限切れは、同未明ともされる。
節子さんはうつむき加減に「捕まった人間の母親です。彼はイラク人を助けるために行ったと思います。自衛隊とは関係ありません」と語った。
呼びかけは、家族が「何かできることがないか」と外務省に問い合わせたことに対し、同省が提案したという。高島肇久・外務報道官は「犯人グループの声明の中に、香田さんが自衛隊の関係者であるという表現があるのが気になっていた。事実に反するので、アラブのテレビに出ればどうかと申し上げた」と説明している。
節子さんと真生さんは28日、福岡県直方市の自宅を出て東京に向かった。午後11時過ぎからは日本テレビの番組にも出演した。節子さんは時折ハンカチを目にあて、うつむきながら「息子は向こうで言われているようなスパイとか営利目的とかで入国したのではない。たくさんの方に迷惑をかけ心苦しく思っています。またサポートしていただき、大変ありがたく、心強く思っております」と沈痛な表情で語った。
自衛隊の撤退について尋ねられると、節子さんはしばらく考え込んだ後、「それはちょっと……」と、言葉を濁した。
(10/29 01:38)
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