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安倍総裁の素顔は? まめな兄貴、妻は元DJ

2006年09月21日09時06分

 予想通りの「圧勝」で、20日、安倍晋三官房長官が自民党の第21代総裁に選ばれた。父・晋太郎氏があと一歩で届かなかった総裁の座を、戦後最年少で手中に収め、戦後生まれでは初の首相になる。提唱する「再チャレンジ」とは一見無縁の道を歩んできた安倍氏。周囲からは、サラブレッドへの期待の一方で、政治家としての実力に心配の声も聞かれる。

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安倍晋三氏と妻昭恵さんのプロフィル

     ◇

 「理想の炎、改革の炎を受け継ぐ」

 安倍新総裁が当選のあいさつで語るのを夕方のニュースで見ながら、神奈川県の会社員池田康一さん(51)は「目に迷いがないな」と感じた。

 東京・吉祥寺の成蹊学園で、小学校から大学まで同級生だった。小学校時代はあまり目立たなかったが、馬が合った。

 忘れられない思い出がある。低学年のころ、父の晋太郎氏が落選した翌日、晋三君が言った。

 「僕のお父さん、落ちて仕事がなくなっちゃったんだ。でも、知り合いの会社の顧問になれるから大丈夫なんだ」

 平気な顔に見えたが、当時は母の洋子さん(78)も選挙区回りで家を空けることが多いと聞き「政治家のうちって何て大変なんだ」と思った。

 総裁選出馬を正式に表明した1日の夜、小学校時代の同級生数人が東京・銀座のバーに集まっていた。

 「電話してみようか」

 一人が携帯電話にかけると、本人が出た。テレビ局をはしご出演する移動の車中だった。

 「体に気をつけてがんばって」「うん、わかった、ありがとう」。仲間内では昔から、記者会見よりずっと早口になる。

 小学校4〜6年で同じクラスだった坂東和洋さん(51)は「圧勝」の余波を心配する。それだけ多くの声に耳を傾けなければならないからだ。

 都内で洋菓子店を営む坂東さんが支店を出したとき、当時幹事長だった安倍氏が頼みもしないのに駆けつけた。

 「まめで、人を裏切らない。拉致問題が典型だが、自分より人のことに一生懸命になっちゃう」

    ◇

 告示直後の9日、安倍氏のおひざ元、山口県下関市郊外のスーパー前に人だかりができていた。

 後援会女性部が新首相誕生を願って始めた「街頭折り鶴作戦」。女子高生やお年寄り、主婦らが熱心に鶴を折り、メッセージを書き込んだ。

 晋太郎氏以来の支援者の一人は「初陣のころは頼りなく、夢を実現できるか不安だったが、奥さんと二人三脚で地元入りして頼りなさを一掃してきた」と振り返る。

 安倍氏は下戸だ。後援会青年部を率いる冨永洋一さん(46)は「なのに、我々を焼き鳥屋に誘って、2次会、3次会にも付き合う。名前もよく覚えていて、電話も気軽にかけてくる。政治家の先生と言うより兄貴という感じだ」と語る。

 一方、「東京育ちで地元のためにしてくれたことはない」と冷めた見方の支援者もいる。ある自営業の男性は「応援するのは、総理になれば何かしてくれるだろうという期待感からだ」と話す。

 晋太郎氏の代から支援する会社経営者は『美しい国へ』(文春新書)を読み、具体性に欠けているのが気になった。「人柄が魅力とはいえ、政治家としての実力はどうか。小泉首相のようにフレーズだけで実績が伴わなければ人気もどうなるか分からない」

    ◇ 

 安倍氏の妻、昭恵さん(44)は晋三氏が晋太郎氏の秘書時代に、知人を介して知り合い、87年6月に結婚した。2人に子どもはなく、愛犬「ロイ」と暮らす。

 東京・白金の聖心女子学院育ち。甘党の安倍氏に対し、お酒が強く、支援者とも気軽に飲み歩く。カラオケでは杏里似であることを意識してか、「オリビアを聴きながら」で盛り上げる。

 98〜02年には下関市のFMラジオで「アッキー」の名でDJを務めた。東京で活躍する山口県出身者をゲストに呼ぶ番組で、本名を伏せ、地元の支援者にも気づかれなかったという。

 自民党国会議員の妻たちが集まったある会合で、「生まれ変わっても今のご主人と一緒になるという奥様はいますか」との質問に、真っ先に「はい」と手を挙げた。

 8月に地元であった「激励する会」では、トレードマークだった長髪をばっさり切って登場。参加者の一人は「ファーストレディーの決意表明」と受け止めた。

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