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複雑な気象を予報するにはデータの分析は欠かせない=気象庁提供 |
前回は「梅雨」とはどういう気象現象なのか、ということについて、気象庁・天気相談所の日野修所長と一緒に考えました。第2回は、気象庁のいわゆる「梅雨入り宣言」の仕組みを教えてもらいます。
◇ ◇
――そもそも「梅雨入り」って何なのですか。
よく「梅雨入り宣言」と言われますが、梅雨は春から夏に移る時期に現れる季節現象で、5日間ほどの移り変わりの期間があると言われているものですので『宣言』というのはちょっと... 「○○地方は梅雨入りしたとみられます」と気象情報で発表するのが我々の仕事になります。
――確かに。では、具体的にどうなったら「梅雨」と判断しているのでしょう。
前日や当日が「曇りや雨」の天気となり、翌日以降も、週間予報などで「曇りや雨」のぐずついた天気が続くと予想される場合に「梅雨入り」と気象情報で発表しています。
――なるほど。例えば6月10日に「今日が梅雨入りの日」と発表するためには?
理想的には、
(1)当日(6/10)が「曇りや雨の天気」だった
(2)前日(6/9)と前々日(6/8)も「曇りや雨の天気」だった
(3)翌日(6/11)以降も「曇りや雨が続く天気」と予想されている
という三つの条件がそろって、初めて「発表」が行われます。
「梅雨明け」の日についても、「曇りや雨が続かず、晴れの日が出てくる天気」を目安に発表しています。
――「梅雨入り」は誰が発表するのですか。
梅雨に関する気象情報の発表は「予想して判断する」という要素を含んでおり、やはり、常日頃からそれぞれの地域の気象を観測し、熟知している所が発表するのが合理的だと考えています。現在は全国を北海道を除く12地区に分けて、それぞれの気象台が発表しています。
分担は
沖縄 : 沖縄気象台
奄美 : 鹿児島地方気象台
九州南部 : 鹿児島地方気象台
九州北部 : 福岡管区気象台
四国 : 高松地方気象台
中国 : 広島地方気象台
近畿 : 大阪管区気象台
北陸 : 新潟地方気象台
東海 : 名古屋地方気象台
関東甲信 : 気象庁
東北南部 : 仙台管区気象台
東北北部 : 仙台管区気象台
となっています。複数の地域を管轄するところもあります。
◇北海道には「梅雨」がない?
――よく「北海道は梅雨がない」といわれます。上の12地区にも北海道はありませんが、北海道には梅雨はないのですか。
北海道では、はっきりした梅雨の現象はないとされていますが、年によっては、一時的に前線が北海道付近に停滞することもあり、「えぞ梅雨」という言葉もあります。
――そういえば、梅雨明けが「できなかった」とか「特定できなかった」という年もあったように記憶しています。
残念ながら、気象条件によっては「移り変わりの5日間」が特定できず、「梅雨明け」の発表ができないままになってしまう年もあります。これまでに3回、このような例がありますが、なにぶん相手は自然現象なので、こちらの思うとおりになってくれないこともあるのです。
(様々な困難を乗り越えて出される「梅雨」の発表。次回は、その意義について考えます)