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今年の落語界はにぎやかな話題が続く。写真は、林家こぶ平改め九代目林家正蔵さんの襲名披露イベント=今年3月、東京・浅草で |
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身近に落語が楽しめるのが寄席。そのひとつ、新宿末広亭。風情のある外観だ=東京都新宿区で |
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現役で活躍している落語家のCD、DVDもぞくぞくと発売されている=佐藤さん提供 |
今、「落語」が空前のブームと言われています。落語界を舞台にしたテレビドラマ「タイガー&ドラゴン」のヒットや、子どもたちの間での「寿限無」の流行、こぶ平改め九代目林家正蔵の襲名など話題が多く、盛り上がっています。梅雨のこの時期、落語を聴いてみてはいかがでしょう。2回にわたってお送りするこのコラムがお役に立てば、これ幸い。
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落語は、着物を着て、たった1人座布団の上に座り、噺(はなし)をする芸です。実に400年以上の歴史があり、小道具は扇子と手ぬぐいのみ。その制約の中で、出来事や事物を表現し、観客は自分の想像力をたよりに楽しみます。江戸時代の八っつぁん熊さんという長屋の人物から、現代のサラリーマン、学生、幽霊や地底王国の生物、果ては宇宙人まで、落語は表現することが可能です。落とし噺という、笑いの多い噺が主流ですが、中には人情噺という、じっくりストーリーを聴かせ、人間の細かな機微を主軸に表現するものもあります。
●聴き手の想像力で楽しむ
身体ひとつで森羅万象を描く落語の世界を、聴き手の想像力で楽しむ快感は、どんな映画やテレビドラマよりもリアルに感じるはず。また、時代は違えど、人間の喜怒哀楽の感情は普遍であるということにも気付かせてくれます。
落語を知らなくても人生支障なく生きていけますが、知った人生はもっと楽しくなります。落語が好きだというと、周りから粋な人だと思われたり、ちょっと洒落(しゃれ)た落語のフレーズを口にしてみたくなったりするオマケもついてきます。
色々な古典落語を聴いてみたり、同じ噺を違う演者で聴いて違いを比べてみたり、落語を楽しむ方法は無限大。自分なりのつきあい方ができます。はまったら最後、奥深い面白さに夢中になってしまうかもしれません。
●「生」で聴くには?
落語を生で聴くには、寄席(よせ)とホール落語会と地域寄席があります。
寄席は一年365日、営業しており、昼から夜までやっていますので、都合のよい時間に入場し、途中で退出することも可能です。東京には上野・鈴本演芸場、浅草演芸ホール、新宿末広亭、池袋演芸場、国立演芸場(毎月21〜30日は貸席)の5カ所があります。
堅苦しい決まりは何もありません。飲食だってOK。眠くなったら寝ても構いません。携帯電話の着信音や通話、飲食時など、高座の妨げになる音をたてなければいいだけです。短時間に次から次へと演者が登場しますので、寄席の雰囲気を気軽に味わいたい、多くの演者を顔見世的に楽しみたいという方向けです。
一方、ホール落語会は、よみうりホールやイイノホール、国立劇場や紀伊國屋ホールなど、ホールや会館で行う落語会のこと。大きな会場に観客を集めるだけの人気や実力が要求される場ですので、確実に楽しめる率が高いです。
地域寄席とは、町内会館やお寺など、地元で有志が開催する落語会のことです。入場料金も安く、規模が小さいぶん、演者との距離が近く、臨場感たっぷりに楽しめます。関東の1都6県だけでひと月に350件以上開かれています。住んでいる町の広報誌などに情報が載っていることも多いので要チェックです。
上方(関西方面)には、寄席のような落語専門の常打ち小屋は存在しません。しかし、お笑いのメッカでもある土地柄か、ワッハ上方(大阪府上方演芸資料館)や大阪市北区にある太融寺では連日、独演会や勉強会が開かれています。ワッハ上方は大小あわせて三つも落語スペースがあり、充実している上方演芸資料の閲覧も可能です(有料)。ほかにも多数の地域寄席や、「なんばグランド花月」「ライブステージB1角座」では漫才などに交じって落語を見ることができます。
また、2006年春完成に向け、上方落語の定席小屋「天満天神繁昌亭」建設の動きがあります。
●寄席に行けなくても‥
生で落語を聴きに行くのが難しいという方には、CDやDVD、テレビやラジオの演芸番組から楽しむことをおすすめします。
落語のCDは近年かなりタイトルが出そろい、亡くなった名人の至芸から、現役で活躍する勢いある若手のものまで、選ぶのに困ってしまうほど。近所の図書館で、落語のCDを貸してくれるところもあります。テレビやラジオの番組も、「笑点」(日本テレビ)だけでなく、「日本の話芸」(NHK教育テレビ)、「落語研究会」(TBS〈テレビ〉)、「真打ち競演」(NHKラジオ第一)などいくつもあります。なかには、携帯音楽プレーヤーの「iPod」などにお気に入りの落語だけを集めるツウな楽しみ方をしている人もいます。
(つづく)
《筆者プロフィル》
佐藤友美(さとう・ともみ) 演芸情報誌『東京かわら版』編集長。1972年東京生まれ。大学卒業後、愛読していた『かわら版』の編集部でアルバイトを始め、そのまま社員に。同誌は月刊で、落語会情報や話題の落語家インタビューなどを掲載。
『東京かわら版』のホームページはhttp://www.tokyo-kawaraban.net/