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別の文書ファイルも改ざんか 逮捕の主任検事

2010年9月25日16時53分

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 大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)のデータ改ざん容疑事件で、同じFDの別の文書ファイルの日時データにも書き換えの痕跡があることが朝日新聞の取材でわかった。このファイルと特捜部主任検事の前田恒彦容疑者(43)の逮捕容疑となったファイルのデータは同じ日に操作されたとみられ、作成日時が書き換え前と比べて「1秒」ずれていた。前田検事が何らかの理由でこのファイルにも関心を示し、専用ソフトを使って書き換えようとした疑いが出てきた。

 最高検によると、前田検事は昨年7月中旬、厚生労働省元係長の上村(かみむら)勉被告(41)=公判中=のFDに保存された偽証明書の文書ファイル「コピー〜通知案」の最終更新日時を、「2004年6月1日未明」から「04年6月8日」に改ざんしたとして逮捕された。上村被告は捜査段階で、同省元局長の村木厚子氏(54)=無罪確定=から「6月上旬」に証明書発行を指示されたと供述。「04年6月8日」はこの供述に沿うものだった。

 朝日新聞は上村被告の弁護人の承諾を得たうえで、大手情報セキュリティー会社(東京)にFDの解析を依頼。その結果、「コピー〜通知案」の最終更新日時の改ざんが、前田検事の手元にFDがあった昨年7月13日に行われていたことが判明し、これが逮捕につながった。

 さらに朝日新聞はFD内の複数の文書ファイルのうち、上村被告が「コピー〜通知案」の約2週間前に作った偽証明書の下書きファイル「通知案」についても調査した。

 朝日新聞が入手した特捜部の捜査報告書によると、「通知案」が作られた時期を示す作成日時は「04年5月18日午後12時43分23秒」と記載されていたが、昨年7月16日に上村被告側にFDが返された時点では「04年5月18日午後12時43分22秒」と1秒のずれが生じていた。セキュリティー会社の解析の結果、「コピー〜通知案」と同じ日にデータがいじられた可能性が高いことがわかった。

 また、前田検事の逮捕容疑となったデータと同様に、厚労省の管理外のパソコンと専用ソフトで書き換えられた疑いがあることも確認された。

 検察関係者によると、前田検事が改ざんに使ったとみられる専用ソフトは「ファイルバイザー」。このソフトでFDの文書ファイルの日時データを変えると、末尾の「秒」が自動的に偶数になる。「通知案」の作成日時の秒も奇数から偶数に変わっていた。

 一方、「通知案」の最終更新日時は上村被告が文書を上書きした日とみられる「04年11月30日」で、表面上の日時は変わっていなかった。

 現時点でFDが改ざんされた詳しい経緯は明らかになっていないが、上村被告の弁護人は「『コピー〜通知案』を書き換える前、『通知案』のファイルで専用ソフトを試そうとしたのではないか」と推測する。(板橋洋佳、野上英文)

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