現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 地検改ざん疑惑
  5. 記事

FD改ざん「あまりに稚拙」 矛盾ない書き換えは困難

2010年9月27日15時1分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図拡大  

 大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)のデータ改ざん容疑事件で、特捜部主任検事の前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=がデータ書き換えに使ったコンピューターソフトの機能は、「タイムスタンプ変更機能」などと呼ばれる。しかし、ファイルに記録された日時情報を矛盾なく書き換えるのは専門家でも難しく、前田検事の場合は専門家が見ればすぐに分かる表面的な書き換えだったという。

 コンピューターファイルにはそれぞれ、「作成」「更新」の日時情報「タイムスタンプ」が記録されている。タイムスタンプ変更機能があるソフトは、インターネット上のサイトから無償、有償で入手できる。

 前田検事が使ったとされる「ファイルバイザー」は、有料のソフト。複数のファイルの名前を一括して変更できるなどファイルを管理する複数の機能を備えている。

 朝日新聞の依頼でFDの解析をした大手情報セキュリティー会社によると、タイムスタンプ変更機能を使えば、表面的な日時は書き換えることができるが、ファイル内の様々な日時情報を矛盾なく整合させるのは、コンピューターの専門知識があってもかなり困難という。

 前田検事による書き換えも、タイムスタンプの更新日時=が「2004年6月1日1時20分06秒」から「2004年6月8日21時10分56秒」に変わっていたが、ファイルには「2009年7月13日」に更新日時を書き換えた痕跡が残っていたという。

 同社の技術担当者は「今回の書き換えは、改ざんの仕方としてはあまりに稚拙だった。前田検事はコンピューターにあまり詳しくなかったのではないか」と話した。

 タイムスタンプ変更機能を使う人にはコンピューターソフトの製作者が多い。多くのソフトは複数のファイルで構成されているが、新作ソフトの発売時などに見栄えをよくするため、ファイルの日時情報を統一するのに使う。

 さらに、日時情報を使って画像などの大量のファイルを管理する場合や、ファイルを作成・更新した日時を他人に知られたくない場合、ファイルの日時に不都合がある場合にも使われるケースがある。

 コンピューターソフトを製作、販売している都内のネット関連会社の社長は「会計監査のとき、納期遅れは厳しく指摘される。製作が納期を越えてしまった場合、ソフトを使って納期前に納めたようにつじつまを合わせることはある」と話していた。

 タイムスタンプ変更機能がある別のソフトを製作した男性(43)は「検察官がこのソフトの存在を知っていたことに驚いた。日時を変えなければ、使う必要がなく、捜査で使うなど考えられない」と語った。(坂本泰紀)

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介