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「FD日付変えた」特捜元副部長がメモ 最高検回収

2011年2月2日3時3分

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 大阪地検特捜部によるフロッピーディスク(FD)データの改ざん・隠蔽(いんぺい)事件で、元副部長・佐賀元明被告(50)=犯人隠避罪で起訴=が、改ざんした元主任検事・前田恒彦被告(43)=証拠隠滅罪で起訴=と直接電話でやり取りした際に「本当は(2004年)6月1日だったが、6月8日に変えた」とするメモを書き残していたことがわかった。メモはいったん廃棄されたが、最高検が回収した。

 佐賀元副部長は当時、上司に「FDは(厚生労働省元係長に)返却済みで改ざんは確認できない」と報告していたが、最高検は、元副部長が故意の改ざんだと詳細に把握していたことを示す最も有力な物証とみている。

 メモについて、佐賀元副部長の弁護側は朝日新聞の取材に「すべての主張、証拠の評価は公判で明らかにする」と述べた。佐賀元副部長と前部長・大坪弘道被告(57)=犯人隠避罪で起訴=は「前田元検事からは過失と聞き、上にも過失と報告した」と全面否認したまま、先月末に保釈され、現在は公判前の争点整理中。初公判は春以降になる見通しだ。

 最高検の調べによると、佐賀元副部長は2010年1月30日夕、前田元検事から告白を受けていた国井弘樹検事(35)らから改ざん疑惑について初めて報告を受けた。同日夜と2月1日、2月2日の3回にわたって、東京に出張中の前田元検事と電話で話した。

 メモはこうした際に書かれたとみられ、「6月8日に変えた」との記載のほか、「前田は前後のデータのコピーを持っている」とも書かれていた。前田元検事は改ざん前後のデータをコピーしてUSBメモリーに保管していたことが既に判明しており、最高検は、これらをめぐるやりとりを佐賀元副部長が書き留めたとみている。

 検察では大量の捜査資料を確実に廃棄するため、鍵付きの文書回収ボックスを幹部ごとに設置し、業者が定期的に回収して最終的には溶解される。佐賀元副部長は10年4月に神戸地検に異動したが、大阪地検では年に1、2回しか回収がなかったため、9月に最高検が捜査を始めた際も回収ボックスには佐賀元副部長が廃棄した資料が残っていた。この中から、問題のメモが見つかったという。

 前田元検事は、佐賀元副部長との3回の電話の内容も最高検に供述している模様だ。1回目の電話が今回のメモに近い内容とされる。

 2回目については「『過失だと説明できるか』と聞かれた。隠蔽しようとしていると思い、『できる』と答えた。『村木厚子・厚労省元局長の指示が6月上旬にあったとの構図に合わせるため』と改ざんの動機も伝えた」などと供述したという。3回目については「『過失でいくことになった』と言われた」との供述内容で、直前に国井検事から「大坪前部長がミステークでいくと言っている」と電話があり、「部長、副部長の意向だと受け止めた」と話したという。(久木良太)

     ◇

 〈証拠改ざん事件〉大阪地検特捜部は2009年2月、実態のない障害者団体が郵便割引制度を悪用した事件に着手。前田元検事は同年7月、村木・厚労省元局長=無罪確定=が「04年6月上旬」に偽の証明書作成を指示したとするシナリオに合わせるため、部下の元係長から押収した証明書データの最終更新日時を「04年6月1日未明」から「04年6月8日夜」に改変した。

 〈犯人隠避事件〉大坪前部長と佐賀元副部長は10年2月、改ざんが意図的と知りながら前田元検事に「過失」と説明するよう指示して虚偽の上申書を作成させた上、上司に「過誤に過ぎず問題ない」と報告したとされる。

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