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09月25日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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家庭遺産 今週の家庭遺産
あなたの家族の思い出を、遺産として登録する家庭遺産。
今回もとっておきの遺産を三つご紹介致します!

15:パンダのぬいぐるみ



今年39歳になる私が
2歳の誕生日に両親からプレゼントされた、
パンダのぬいぐるみです。
片時も離さず常に持ち歩いていたため
ボロボロになってしまい、
「このままだと首が取れる!」と案じた祖母と母は、
私が幼稚園に行ってる間に、
同じぬいぐるみを買ってきて分解。

はみでる思い出(綿)

もとのぬいぐるみの顔以外に、
新しいぬいぐるみのパーツを
重ねて縫い付けたそうです。

幼稚園から帰って来て、
ちょっと大きくなったパンダを
見つけたことを、
今でもよく覚えています。

そのほかにも、
垂れる首をなんとかしたくて、
母が中に割り箸を入れようとして
失敗した話や、

近所の公民館に忘れたパンダを、
探しにいった祖父がゴミ箱から見つけてくれた話など、
たくさんの思い出がつまったこのパンダ。
高校の修学旅行にも持って行き、
結局娘を出産するまで一緒に寝ていました。


所有者ネーム えざき ゆかり


家庭遺産
インパクトのあるパンダちゃん、ありがとうございます。 あたらしい体を上から縫い合わせたということは、このパンダ、着ぐるみ状態のぬいぐるみなんですね。(なんだかややこしいですがw)

大切にされたぬいぐるみには、たくさんの思い出がつまっています。はみだした綿は、そんな思い出が溢れてしまった結果かもしれませんね。 娘さんが生まれて、ようやく添い寝から解放されたパンダちゃんですが、これからもえざきさんの家族を温かく見守ってくれることと思います。

家庭遺産にはすでに、いくつかのぬいぐるみが寄せられています。そのどれもがボロボロながらも、なんだか幸せそうに見えます。そういうぬいぐるみのことを、家庭遺産では愛着をこめて「ぼろぐるみ」と呼ぶことにしました。みなさんの家にある「ぼろぐるみ」の写真も、是非お送りください。

16:ピッキーちゃん



これは、一番上の兄が生まれた時、
父(当時24)が「赤ちゃんが口に入れても
大丈夫な素材のぬいぐるみを」と、
京都の町中を探し回って
ようやく見つけたものです。
タオル地でできている、
という条件は満たしていたものの、
顔があまりに気持ち悪い。

ちなみに父はそういったことに
全く頓着しない性格です。
兄、姉、私と3人に受け継がれてはきたのですが、
家に遊びにきた友だちから
「やだー、気持ち悪い、こっちにこないでー」
などといわれる始末でした。

よだれまみれになり、
首ももげそうになっているのですが、
父には思い入れが強く、
その後のたびたびの引っ越しを経てもなお、
捨てられずに仙台の実家に残っています。

名前は「ピッキーちゃん」と言いますが、
今回、父に頼んでメールを送ってもらったら、
なぜか題名が「ピっキー」と「つ」だけひらがなになっていました。


所有者ネーム こっこでしょ


家庭遺産
この家庭遺産も「ぼろぐるみ」の仲間ですね。
顔が気持ち悪いということですが、そうでしょうか? この剃った眉毛といい、セクシーな流し目といい、なんとも味のある表情だと思いますが。ちょっと色気がありますね。お父さんの思い入れが強いのも、このお色気のせいかもしれません。

いまは実家にあるという「ピッキーちゃん」あらため「ピっキーちゃん」。いまはこっこでしょさんの代わりに、お父さんの晩酌相手をしてくれているかもしれません。

17:百年ぬか床



家庭遺産になりますか?
と思いながら応募します。
私は結婚して60年になりますが、
先代から引き継いだぬか漬け床があります。
一斗の桶に八分目あるぬか床は、
時々ぬかを足したり、
塩魚のアラを火で焼き直してから時々入れてます。
魚のダシが出るのか、とてもよい味です。
また焼いてから入れると、
いつの間にか形がなくなるので不思議です。

私がぬか漬けを大切にしているのは義父のおかげです。
義父はなくなって25年になりますが、
漬け物は食事につきもので、
私は嫁として鍛えられたような気がします。

夏に自分で育てたウリやナスのぬか漬けはごちそうです。
ぬか漬けは先代からなので
百年モノかも知れません。
木の桶がよいのか、魚のアラを焼き直して入れるのが
よいのか分かりませんが、ずっーと続いてます。


所有者ネーム 唐沢富貴


家庭遺産
ぬか床! これぞ家庭遺産の王道ではないでしょうか。しかも百年モノとは! もう引き継いで60年ということですが、はじめてこのぬか床に手を入れるときの覚悟は、どれほどのものだったのでしょう。 それがやがて習慣となり、日常となり、他所から迎えられたお嫁さんが、立派な家族の一員になる。 ぬか床はそんな絆を結びため、先人の知恵がつくった「装置」かもしれません。

嫁として鍛えられたという言葉が、しみじみ胸に響きます。 ひと噛み百年の味、これかも大切にお守りください。貴重な遺産ありがとうございました。


いかがだったでしょうか? 家庭遺産ではみなさまからの味わい深い遺産とエピソードを、心よりお待ちしております。
※デザインは変更する場合もあります
申請から認定までの流れ

 あなたの家の家庭遺産を写真に撮り、それにまつわるエピソードと共にお送りください。

 応募いただいた家庭遺産について、より詳細なエピソードをお聞きする場合がございます。その際こちらから連絡を差し上げますので、連絡をとれるご自身のメールアドレスと電話番号をご記入ください。

 認定された家庭遺産は、朝日新聞デジタルと一部紙面で順次掲載します。またご応募いただいた方には左の認定証をメールでお送りいたします。

家庭遺産とは?

~家庭遺産委員長・天久聖一さん寄稿~
 家庭遺産。それはどこの家庭にもある、家族にとって忘れられない思い出のつまった宝物です。世界遺産が後世に残したい人類共通の遺産なら、家庭遺産はその家庭バージョン。家族だけが知っている、もっとささやかな遺産です。

 それは他人から見るとぜんぜん意味のないものかもしれませんし、場合によっては当の家族からも迷惑がられているものかもしれません。たとえばお父さんが家族の白い目もかえりみず集めたコレクション。お母さんが突然つくりだした奇妙な手芸品、こどもたちが幼い頃つくった謎の工作。旅行先で浮かれて買ったものの、いまは押入で埃を被っている土産物などなど。

 そんな捨てるに捨てられない、けれどたしかに家族の歴史を刻んだ宝物を発掘、紹介するのが私たち家庭遺産委員会の活動です。あなたの家庭に眠る貴重な遺産を、その遺産にまつわるエピソードを添えてお送り下さい。あなたの思い出がつまった家庭遺産には、世界遺産以上の価値があるはずです。きっと。

筆者プロフィール天久 聖一

1989年、マンガ家としてデビュー。現在は演劇脚本、小説執筆、映像制作など多方面で活躍している。マンガのバカドリルシリーズや、ほぼ日刊イトイ新聞での連載「味写道」「家庭遺産」を執筆。朝日新聞デジタルで「家庭遺産」をリニューアルし、連載を開始。

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