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11月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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家庭遺産 今週の家庭遺産:2
噴水のある店の看板


 あなたの家族の思い出を、遺産として登録する家庭遺産。
今回ご紹介するのは、新保信長さん所有の「噴水のある店の看板」です。

教室の後ろに貼ったの習字のような、実に味わいのある筆跡

新保さんのお父さまは
大阪で食堂をやっており、 あるとき帰省すると、
店の前に見たことのない小さな噴水ができていて、この看板が掲げられていたそうです。

大工仕事が好きだった父の仕業だとはすぐ分かったのですが、
どうして噴水なんかと訊けないまま時は流れ、お父さまは二年前に他界。

最近その店も取り壊され、この看板が手元に届いたそうです。

いまにして思えば
平凡な食堂になにかシンボル的なものをつくりかったのではと、
父のささやかな展望を感じるそうですが、
新保さんにとって心残りは、
最初に噴水を見たとき「なんでやねん!」
とツッコんであげられなかったことだと言います。

さすがは大阪人!
ですがこの心残りには、ホロ苦い親子のすれ違いを感じずにいられません。
おそらくお父さまは子供たちが独立したあと、
ようやく本来の遊び心が発揮できたのでしょう。
その成果があの小さな噴水であり、
帰省する子供たちの反応を、
心のどこかで期待していたのかもしれません。

これがお店のシンボル!?ちっちゃ!看板の位置も低っ!

ところが息子からしてみれば、
あんなに生真面目だった父が
いきなり店の前に意味不明な噴水をつくったのです。
これでは戸惑うのも無理はありません。

しかしそこは血を継ぐ親子、
後になって父のお茶目な一面に気づくのですが、時すでに遅し……。
でも心のツッコミはきっとお父さまにも伝わっていることと思います。
思い出の看板、家庭遺産に認定させていただきます。

家庭遺産では、随時このような味わい深い家族のお宝を募集しております。
みなさまからの遺産、心よりお待ちしております。


申請から認定までの流れ
 あなたの家の家庭遺産を写真に撮り、それにまつわるエピソードと共にお送りください。 応募の際は、応募フォームの注意書きもよくご覧ください。

 応募いただいた家庭遺産について、より詳細なエピソードをお聞きする場合がございます。その際こちらから連絡を差し上げますので、連絡をとれるご自身のメールアドレスと電話番号をご記入ください。

 認定された家庭遺産は、朝日新聞デジタルと一部紙面で順次掲載します。またご応募いただいた方には認定証をお送りいたします。
家庭遺産とは?

~家庭遺産委員長・天久聖一さん寄稿~
 家庭遺産。それはどこの家庭にもある、家族にとって忘れられない思い出のつまった宝物です。世界遺産が後世に残したい人類共通の遺産なら、家庭遺産はその家庭バージョン。家族だけが知っている、もっとささやかな遺産です。

 それは他人から見るとぜんぜん意味のないものかもしれませんし、場合によっては当の家族からも迷惑がられているものかもしれません。たとえばお父さんが家族の白い目もかえりみず集めたコレクション。お母さんが突然つくりだした奇妙な手芸品、こどもたちが幼い頃つくった謎の工作。旅行先で浮かれて買ったものの、いまは押入で埃を被っている土産物などなど。

 そんな捨てるに捨てられない、けれどたしかに家族の歴史を刻んだ宝物を発掘、紹介するのが私たち家庭遺産委員会の活動です。あなたの家庭に眠る貴重な遺産を、その遺産にまつわるエピソードを添えてお送り下さい。あなたの思い出がつまった家庭遺産には、世界遺産以上の価値があるはずです。きっと。

筆者プロフィール天久 聖一

1989年、マンガ家としてデビュー。現在は演劇脚本、小説執筆、映像制作など多方面で活躍している。マンガのバカドリルシリーズや、ほぼ日刊イトイ新聞での連載「味写道」「家庭遺産」を執筆。朝日新聞デジタルで「家庭遺産」をリニューアルし、連載を開始。

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