ことばマガジンは、2015年5月に朝日新聞デジタルに移転しました。ここでは、過去の記事をお読み頂けます。最新の記事については、こちらでご覧ください。
あたらしく生まれたり、いつのまにか消えてしまったりする言葉。なにげなく口にするけど、ふと気になりだすと、なんだか心にひっかかる言葉。「どうして、こんな言い回しになったのかな」「昔はこんな使い方じゃなかったのかも」。辞書や本をひっくり返し、時には専門家にも聞いてみる。調べて、見て、考える「談話室」。ほんの小さな部屋ですが、お時間があれば、くつろいでみてください。
物置を整理していたら、長く使っていないお茶わんを包んでいた古い新聞を発見。捨てようと思ったけれど、ついつい見出しに目を奪われて読み込んでしまい……。現代とは違う言葉遣いや懐かしい内容にぷっと噴き出す。そんな経験、ありませんか? このコーナーでは、今では考えられないような表現や面白い出来事、現代の表記基準とは異なるような記事を、朝日新聞社のデータベースに残る過去の紙面から発掘。現在の校閲基準と照らし合わせてみて、現代風に朱を入れつつ書き直してみることを試みながら、昔と今の違いを楽しく探るコーナーです。昔の紙面と今の紙面、みなさんのお好みはどちらでしょう?
全国各地にあふれる様々な「文字」。看板などの写真を中心にご紹介する「旅」のコーナーです。ふだんは机にかじりつきっぱなしの校閲記者が、赤えんぴつをカメラに持ち替え、ある地域でしか見られない「地域文字」や、ちょっと笑える表記など、色んな文字を探しに出かけます。文字に注目すれば、ひと味違う旅の面白さを見つけることができたり、住み慣れた町の新しい姿が見えてきたりするかも知れません。難読地名・珍地名、不思議な看板など、みなさんからの情報もお待ちしています。
「理系だ」「文系だ」で物事がかたづいた(ように見えた)のは、はるか昔の話。いまや「文字」は、コンピューターやネットを抜きにしては語れない時代になっています。文字とどうつきあい、どう使いこなしていけばいいのか。常用漢字表やJIS漢字など、国語や文字をめぐる国の施策は、私たちの文字生活にどうかかわっているのか。デジタル時代の「文字」や「表記」のありかたとその行方に、新聞づくりの現場の話題も盛り込みながら迫ってみます。
浜の真砂は尽きるとも 語に間違いの種は尽きまじ……言い間違えては赤っ恥、書き間違えては青くなり。あぁ、おれ様に教養があったなら、こんな悪党にならずにすんだ。誤用だ、誤用だと追い立てられて、ええい、いったい何が悪いってんでい!!…… なんて、おいらのご先祖様が言ったか言わなかったかは知らないが、分かったようで分からないのが言葉ってもんだ。あの言い回しはどうもなんだか変じゃないか、あいつまた、こんな誤字だらけのメール寄こしてきたよまったくもう……なんて、ひと様を笑っていられないよ。どうだい、おいらの出すクイズ、ちょっと答えてみないかい。
新聞記者というと「記事を書く人」と思うかもしれません。でも新聞社には記事を書く記者以外に、写真を撮る記者、グラフや図表などデザインを描く記者、記事の価値を判断して見出しやレイアウトを決める記者など、いろんな「記者」がいます。そして校閲部門の記者の仕事は紙面全体の「点検」です。誤字・脱字・言葉の間違いに限らず、写真のトリミング、見出しの適否、原稿にあるデータの確認……新聞になる前のある「記事」を切り取ってみました。ここには、このまま配達されると恥ずかしい間違いがちらほら。間違い探しをしながら、新聞の校閲をちょっと体験してみませんか。
新聞社の校閲記者ってどんな仕事をしているかご存じですか。「誤字や脱字を正しく直す」が普通の答えでしょうか。でもそれは仕事のほんの一部。日本語としておかしくないか、データは正確か、読者の知りたい情報が欠けていないか、書かれた側を傷つける表現ではないか、地名や人名の読み仮名は要らないか……。次々と出稿される原稿を、時間に追われながら黙々と読み、こつこつ調べ、びしびし指摘します。毎日がことばの洪水の中。赤鉛筆を持つ手が思わず止まったことば、これでいいのかと悩んだ表現……日々、生きたことばと向き合う校閲記者の仕事を、具体的な指摘を通して紹介します。
記事に、差別を助長したり人を傷つけたりする表現がないかを考えるのも校閲の仕事です。このコーナーでは、「ことば」と人権の問題について考えるヒントになるような記事を紹介します。たとえば、朝日新聞では通常「障害者」と書いていますが、「害」の字の否定的なイメージを避けようと「障がい者」という表記も広まりつつあります。2010年の常用漢字表改定では、「障碍者」という表記が使えるように「碍」の字を入れてはどうかという声も出ました。結局「碍」は常用漢字に入りませんでしたが、このような動きは、「ことば」と人権を考える上でとても興味深いです。朝日新聞に最近掲載された中から、ことばと人権の問題を考えるヒントになるような記事をご紹介します。