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人権・校閲

こちら人権情報局

水俣の心、分かるのか

〈特に注記のない場合、新聞記事の日付などは東京本社最終版です〉
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■今週のことば
「患者は生きている限り水俣病は続く。分かっているのか、国は。これからでもいい。患者を支えることを真剣に考えてもらいたい」=水俣病患者・田中実子さんの義兄良雄さん(2010年5月2日「水俣の心 分かるのか」)

水俣病犠牲者慰霊式拡大鳩山由紀夫首相(後方)が見つめる中、献花する胎児性水俣病の女性=1日午後1時55分、熊本県水俣市、溝脇正撮影

 鳩山由紀夫首相は5月1日、熊本県水俣市で開かれた水俣病犠牲者慰霊式に出席し、謝罪の言葉を述べました。社会面の記事は「水俣病患者の症状や治療の研究は、ほとんど進んでいない。心理ケアも含めた水俣病の医療、介護の専門家の養成も遅れている。長年、被害拡大の責任を認めなかった国が、取り組みをなおざりにしてきたからだ」と指摘しています。

 被害者側には、「初めて首相として足を運んでくれたことに感謝したい。首相が花を供え、手を合わせたことで亡くなった患者も喜んでいると思う」という評価と、「被害者たちの話で心が動かされていたようだったが、被害の実態を本当に把握できたのかは分からない。慰霊のあいさつは被害者と会ったうえで、自分の言葉で発してほしかった」という声がありました。

首相、水俣病犠牲者慰霊式に出席して謝罪 歴代首相で初(5/1)
水俣慰霊式、鳩山首相が「祈りの言葉」(5/1)
水俣、撮り続けて半世紀 患者ら一堂「凝縮の1枚」(5/1)
水俣病 首相が慰霊式出席し謝罪「被害拡大防げず責任」(5/2)
首相の言葉に期待・不安/鹿児島(5/2)
「第二の水俣病、痛恨の極み」/新潟(5/2)


水俣病の新救済策、申請受け付け1日開始 判定に課題も(4/30)
「和解協議」へ一歩前進 昭電、初めて交渉参加/新潟水俣病(4/29)
チッソ水俣製造所(4/26)

◎「水俣病 54年目の『救済』」(西部本社版で連載)
(上)「患者隠し」後悔 域外の天草、沈黙破る(4/25)
  「樋島から水俣病を出すな。魚が売れんようになって集落は全滅する」。悩んだ末に「患者隠し」を約束した。
(中)同じ40歳、線引き「なぜ」(4/26)
  同級生3人が県に保健手帳の交付を申請すると、69年生まれの1人だけが認められた。「同じ島に生まれた同じ学年の3人に同じ症状がある。日本がちゃんとした国なら、実情を見て判断してほしい」
(下)周囲の目、ためらう申請(4/27)
  「あの人は何万円もらった」。被害者対策が打ち出されるたび、街ではうわさが飛び交った。周りに表立った差別はなくても、疑心暗鬼。タブーが生まれていた。

■今週の注目記事

高校無償化対象の外国人学校公表 朝鮮学校は改めて検証(5/1)
無償化除外、朝鮮学校校長会が「驚きと怒り」と談話(5/1)
「悪意満ちた人種差別発言」 石原知事に民団が撤回要求(4/28)
 石原慎太郎東京都知事が外国人地方参政権を巡り、与党の党首や幹部には親などが帰化した人が多いと発言したことに対し、在日本大韓民国民団東京地方本部は28日、「悪意に満ちた人種差別発言だ」とする抗議文を都に提出し、撤回と謝罪を求めた。

◎絵画展展示作に「差別語」の表題 愛知県美術館、抗議受け変更を検討(4/29、名古屋本社版)
 愛知県美術館(名古屋市東区)で開催中の絵画展に「鮮人」という表題の絵画が展示されていることに対し、絵画展を訪ねた在日韓国人の詩人が「差別する言葉であり不適切だ」と指摘し、28日、県に改題などを求める抗議文を出した。同美術館は「作品に差別的意識はない」として撤去は考えていないが、表題の変更などの対応策を検討している。
 小杉未醒(1881~1964)の墨画。同館によると、表題は小杉以外の人が付けた可能性が高いという。抗議したのは、福井市に住む詩人李龍海(イ・ヨンヘ)さん(55)。抗議を受けて同館は19日、作品に「不適切な表現がなされているものがありますが、作者の反戦的意図を尊重し、そのままの表現としています」との注意書きを添えた。同館の村田真宏副館長は「表題が差別語なのはわかっているが、所蔵先に無断で変更することはできない」とし、現在、所蔵先の東京芸術大学大学美術館(東京都台東区)と話し合っているという。結論が出るまでは現状通り展示を続ける考えだ。
 展示会は5月23日まで。28日に改めて抗議した李さんは「本来なら撤去すべきだ。少なくとも一刻も早い表題変更を求める」としたうえで「(表題は)侮辱的な言葉で、差別の体験がよみがえる。作者が付けた表題でないなら、なぜこういう表題となっているのか、しっかり説明してほしい」と話している。

※日本が朝鮮半島を植民地支配していた時代に、略称として「鮮人」が使われました。朝鮮人に対する差別と強く結びついた言葉です。

・画題「鮮人」差別的と抗議 県美術館が変更検討(4/28中日新聞)
・愛知県美術館:標題「鮮人」の作品展示 差別的蔑称、福井の詩人抗議(4/21毎日新聞)

「発達障害でも自信持って」裁判長が被告激励 東京高裁(4/27)
 JR東京駅ホームで昨年3月、女性を突き落とし、負傷させたとして殺人未遂罪に問われ、一審で懲役9年の判決を受けた被告の控訴審判決で。「発達障害とうまく付き合えるよう、医師に聞いて勉強すればいい。発達障害というのはだめな人ではない。自信を持っていいんだ」と諭した。

憲法研究者・奥平康弘 追憶の風景 フィラデルフィア(4/27)
 1960年前後の米国。いい意味での「古きよきアメリカ」を代表する地域民主主義を支える力を知ったフィラデルフィア。しかし、旅先のドライブインでは人種差別を垣間見た。

■asahi.com>マイタウンから
【埼玉】障害者アート 万博へ(4/30)
 川越市を拠点に絵画や陶芸などの創作活動を通じて知的障害者の自立を目指しているNPO法人「あいアイ」の会員の作品が、上海万博で展示されることになった。

【神奈川】「天使のパン」 4年待ち(5/5)
 注文してから受け取るまで4年待ちのパンが、鎌倉市で作られている。レース中に大けがをした元競輪選手の多以良泉己(たいら・みずき)さん(35)が焼き上げる食パンやケーキ。インターネットの予約は2014年春までいっぱいだ。「パンを喜んでもらって、生きがいを感じる」と泉己さん。8日には、障害者自転車競技の大会に出場する。

【福井】「希望の義足」ルダシングワ真美さんが講演(4/29)
 アフリカのルワンダとブルンジで義足や車いすの普及にあたるNGO「ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」代表のルダシングワ真美さん(47)が28日、福井市内で講演した。

【関西】視覚障害者がホームページ作成請け負い、ソフトを開発(4/30)
 ホームページ作成の仕事を請け負う視覚障害者がいる。頭の中で完成図を描き、パソコンの音声を頼りに画面を組み立てていく。視覚障害者のインターネット利用率は一般より高いという調査結果もあり、ネットのバリアフリー化は急速に進む。「失われた感覚」を補うパソコンが、視覚障害者の働く場も生み出している。

【兵庫】車いす旅行手軽に 神姫バスリフト付き導入(5/4)
 車いすのまま乗車することができる乗降用リフトを備え付けた観光バス1台を初めて導入。小中学生の遠足や高齢者の旅行に使ってほしいといい、運転士とガイド向けの講習会を開いた。

【鳥取】男女平等ランキング 1位 鳥取県(4/27)
 東北大学の研究グループが発表した、男女平等の度合いを比べる都道府県別のランキングで鳥取県が1位。女性議員の割合が高く、男女の給与格差が小さいことなどが理由という。本当に男女平等の先進県なのか、探った。

【高知】職人+障害者 サンゴの魔法(4/30)
 高知市のJR高知駅前にある「土佐・龍馬であい博」のメーン会場で、サンゴストラップ(1個500円)が限定販売され、人気を呼んでいる。同市の障害者福祉サービス事業所「びーねっと」で働く障害者たちが、大月町出身のサンゴ職人中野邦治さん(65)の指導で作っている。

【大分】認知症医療 米で恩返し講演(5/2)
 別府市の安部第一医院院長で、認知症の人と家族の会県顧問を務める安部明夫さん(53)が3日、20年前に留学した米カリフォルニア大サンディエゴ校(UCSD)で講演する。安部さんは1990年、認知症の基礎的研究で世界最先端の施設を持つUCSDに研究員として留学。認知症の遺伝子工学を1年間研究した。演題は「認知症は主観的な病気である」。

■今週の本
「日本でいちばん大切にしたい会社」「日本でいちばん大切にしたい会社2」[著]坂本光司(4/25)
 障害者を雇用する会社の内容を知って感動した人たちが、「役に立ちたい」というかたちで取引先が増えていく。“応援する者は応援される”なかで会社の経済が動いているのだ。

障害の境界、超える試み(4/25)
 「生きるための試行――エイブル・アートの実験」を、フィルムアート社が刊行した。エイブル・アートとは、障害のある人が参加して演劇、ダンスなどの表現活動をし、「障害」と「健常」といった境界を乗り越えようとする運動。2004年から5年間、各地で行われたイベントに参加した演出家や舞踏家らが、活動を検証した。