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人権・校閲

こちら人権情報局

沖縄の願い

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■今週のことば

「ヤマトに裏切られ、沖縄を見つめ直そうとの思いだ」=沖縄三板協会の杉本信夫会長(2010年6月1日西部本社版「青鉛筆」から)

「辺野古合意」を認めない緊急市民集会/期待は幻、沖縄怒る 普天間移設拡大強い雨の中、拳を突き上げる市民集会の参加者たち=5月28日午後7時42分、沖縄県名護市、森下東樹撮影

 ▽軽快な琉球民謡に欠かせない三枚板の沖縄カスタネット「三板(さんば)」。その普及に努める日本三板協会(沖縄県沖縄市)は5月31日、会の名を沖縄三板協会に改めると決めた。
 ▽普天間移設先に辺野古を選んだ28日の日米合意は頭越しの決定だと反発。「日本」を冠することに会内外から異議が上がり、地元民謡界の大御所ら理事たちも賛同した。
 ▽杉本信夫会長は「ヤマトに裏切られ、沖縄を見つめ直そうとの思いだ。表に出てきた一例に過ぎない」。沖縄の願いが届くまで、「日本」には復帰しないつもりという。

「金は辺野古の海に捨てて」 沖縄、日米合意反対集会(5/29)
 大田昌秀さん(元沖縄県知事)は最近よく「沖縄は差別されている」という言葉を耳にするようになった。沖縄戦で本土防衛の捨て石にされ、本土復帰後も米軍基地が残る現状。「自公政権では失望するしかなかったが、政権交代で初めて普天間の県外移設に希望が持てたのだが」。それが裏切られたことで、差別されているという思いが増しているという。

戦争の狂気 今なお(5/25=西部本社版)
 ベルリン国際映画祭で話題をさらった日本映画「キャタピラー」の若松孝二監督(74)は最近特に憤りを覚えることがある。視線の先には、戦後65年を経てなお米軍基地の集中する沖縄の姿が。戦争とは何か――。問い続けた監督にとって、沖縄の歴史は映画人としての原点だ。全国に先駆けて、6月に「慰霊の日」を迎える沖縄での劇場公開を決めた。「キャタピラー」では、第2次世界大戦で手足をもがれ、言葉と聴覚を失い、ふるさとに帰還した男と、その妻を描いた。村人からは「軍神」とたたえられ、妻は献身的に世話を続けるが、いつしか夫婦の関係は狂い始める。「正義の戦争なんてない。はっきりしてるのは、戦争はただの人殺しだってことだ」

「これが最後の大会になって」(4/26)
 「これが沖縄でやる最後の大会になってほしい。沖縄は怒っているよ。お父さんもそう思っている」。名護市辺野古の金城ハツ子さん(66)は、群衆の中に3年前に亡くなった夫、祐治さん(当時72)の姿を探していた。夢に出てくる夫は、自宅ではなく、基地に反対する集会のなかばかり。「だから、今でもそこにいるのかなあって」。祐治さんは、辺野古の反対運動の中心だった。「沖縄への差別が許せなかったんだと思う。なんで沖縄ばかりに基地を押しつけるのさ」

「危険性除去と負担軽減を」仲井真・沖縄県知事あいさつ(4/25)
 「終戦からかれこれ70年、日本復帰をしてから40年たちました。戦争の痕跡はほとんどなくなりました。しかしながら、米軍基地、基地だけは厳然と、ほとんど変わることなく目の前に座っているわけでございます。 ですからこれは、日本全国でみれば明らかに不公平、差別に近い印象すら持ちます」

■今週の注目記事

生活保護費を詐取容疑、自称NPO幹部ら逮捕(5/31)
「敷金ゼロ」転居で扶助請求か 逮捕の自称NPO支部長(5/31)
 大阪市から神戸市に引っ越しすると偽り、転居に伴う敷金や引っ越し代などの生活保護費をだまし取ったとして、大阪府警は5月30日、自称NPO団体「あしたばの会」北大阪支部長(47)ら3人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。府警は、生活困窮者に受給させた保護費を吸い上げる「貧困ビジネス」の業者だったとみている。

貧困ビジネス、「囲い屋」元組員ら逮捕 保護費詐取容疑(5/31)
 生活保護の受給者に引っ越しをさせて大阪市から保護費をだまし取ったとして、大阪府警は5月31日、指定暴力団山口組関係者で、国から認証を受けていたNPO法人「国民生活支援ネットワーク いきよう会」(解散)元代表(51)ら4人を、詐欺の疑いで逮捕した。捜査関係者らによると、いきよう会は数年前から、生活保護受給者から保護費を徴収する「囲い屋」として大阪市内で活動していたという。

顔に傷、労災補償に男女差は「違憲」 京都地裁判決(5/28)
 顔などに重い傷が残った労働災害の補償で、男性を女性より低い障害等級と認定する国の基準は法の下の平等を定めた憲法に反するとして、京都府内の男性(35)が国に障害補償給付処分の取り消しを求めた訴訟の判決が5月27日、京都地裁であった。瀧華聡之(たきはな・さとし)裁判長は「男性も顔に障害を受けたら精神的苦痛を感じる。性別による差別に合理的理由はない」として基準を違憲と判断し、処分を取り消した。男性の弁護団によると、労災の障害等級の男女差を違憲とした司法判断は初めて。

■asahi.com>マイタウンから

【多摩】障害者の人権とは? 武蔵野で塾・小笠さん(5/30)
 障害者の人権を保障することをめざして国連で採択され、世界79カ国が批准している「障害者権利条約」。日本はまだ批准していないこの条約を広く知ってもらおうと、武蔵野市で障害がある子ども向けの塾「遠山真学塾」を開いている小笠毅さん(70)がブックレットを出版した。ブックレットは、A5判で184ページ。国連で2006年に採択された条約の前文と30条からなる実体規定について、英語の原文と外務省の公定訳文案を掲載している。

【福井】付添人制度を全少年事件に(6/1)
 福井弁護士会は5月31日、逮捕されて少年鑑別所に送られた少年に「付添人」として国費で弁護士を派遣する「国選付添人制度」を、全事件に拡充するよう法改正を求める声明を政府などに送った。現行の少年法は、家庭裁判所が重大事件と認めた場合などに対象が限られている。

【静岡】動作楽々ゴム補助具(5/31)
 自動車関連のゴム製品メーカー、ゴムQ(掛川市)が、障害のある幼児・児童向けの補助具を発売している。補助具はすべてシリコンゴム製。柔軟性があり、過って落としても壊れない。そんな特性を利用しようと、県工業技術研究所や県立こども病院と共同開発した。

【愛知】反貧困ネット 県内でも結成(5/31)
 貧困をめぐる様々な課題に横断的に取り組んでいこうと、ホームレス支援や労働問題などに取り組む関係者が「反貧困ネットワークあいち」を立ち上げ、名古屋市内で5月30日、結成総会を開いた。県内各地から約200人が出席し、相談会の開催など今後の活動方針を話し合った。

【愛知】「ひととき」の縁で55年(5/28)
 本紙生活面の投書欄「ひととき」をきっかけにできた東海地方の女性読者グループ「いずみの会」がこの秋で結成55年を迎える。婦人運動の盛り上がりの中、書くこと、読むことを通じて結ばれた女性たちが、息の長い活動を続けてきた。最も古い会員の一人は設立当時の様子を「女性が世間にもの申す機会の少なかった時代。投稿は白い目で見られ、匿名の変なはがきが自宅に届いたこともあった」と振り返り、「会が55年も続いたのは、平和であればこそ」と語った。

【三重】ロボットスーツで歩いた(6/1)
 奈良県河合町や名張市でクリニックなどを開いている医療法人康成会(堀井康弘理事長)が、高齢者や体に障害がある人の動作支援、歩行支援をするロボットスーツ「HAL(ハル)」を導入し、5月31日一般公開した。HALのサポートで、自分で体を動かす感覚を思い出し、リハビリへの意欲を高めてもらおうというねらい。東海3県では初めての導入だという。

【滋賀】音楽療法士 歌手デビュー(5/27)
 音楽を通して高齢者の健康維持や障害者の心身の機能回復にあたる聖泉大学(彦根市)非常勤講師で音楽療法士の呉竹英一さん(69)が、70歳の誕生日を前に演歌歌手としてデビューした。

【滋賀・京都】早世画家の鼓動奏でる(5/24)
 がんで利き腕を失いながらも創作を続けた早世の画家、三橋節子さんの生涯をテーマにしたコンサートが、5月28~31日に京都、長浜、大津の3市で開かれる。めいでチェンバロ奏者の三橋桜子さん(36)が、夫の作曲家パブロ・エスカンデさん(39)と書き下ろした組曲などを演奏。「叔母の芸術や生き方を多くの人に知ってほしい」と話す。

【和歌山】がん 大きな輪で協力(5/27)
 がんの患者や治療に携わる医師らが、より良い医療や支援環境を目指す団体「いきいき和歌山がんサポート」を発足させ、5月25日に和歌山市内で設立総会を開いた。近く特定非営利活動(NPO)法人の認証を申請する予定。代表を務める谷野裕一・公立那賀病院乳腺外科科長に設立の目的や県内のがん治療をめぐる課題などを聞いた。

【島根】めざせ盲導犬 初の路上試験(5/28)
 日本盲導犬協会島根あさひ訓練センター(浜田市旭町)で、盲導犬になる訓練中のレトリバーの「ナーブ」(オス、1歳3カ月)が5月27日、市中心部で初めての路上試験を受けた。3カ月後に2回目を受けるが、適性は高いという。

【広島】人権相談の記録など紛失(5/27)
 広島法務局は5月26日、人権擁護部の40代の男性職員が使っていたパソコンの外付けハードディスクが紛失したと発表した。相談者4人の相談内容を含む少なくとも計97人の個人情報が記録されていた。24日に広島中央署に遺失物届を提出。現時点で個人情報が不正に利用された形跡は確認されていないという。

【愛媛】難病の学生 支える友ら(5/28)
 徐々に筋肉が弱っていく難病の筋ジストロフィーの高藤孝太郎さん(19)=松山市=がこの春から愛媛大学工学部で学んでいる。進行性の病気を抱えているため、職員やボランティアの学生らは試行錯誤しつつ、高藤さんの学校生活を支えている。

【香川】認知症の介護や支援を考えよう、高松で催し(5/27)
 介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らすには――。認知症介護や支援について考えてもらう催し「私の町はみんなが家族」が5月30日午前9時半から、高松市牟礼町原の県立保健医療大学で開かれる。若年性アルツハイマー病と診断された静岡県富士宮市の男性による講演のほか、食事や就労支援などテーマ別に話し合う分科会が開かれる。社会福祉法人「守里会」(同市牟礼町大町)の主催。

【香川】特別支援学校 生徒増える(5/26)
 障害のある子どもが通う「特別支援学校」の生徒が増えている。県内では特に知的障害を抱える生徒の増加が目立ち、10年間で約1.5倍に増えた学校もある。教室が不足するなどの影響が出ており、県教委は対応策を練るため、有識者らによる検討委員会を立ち上げている。

【高知】「被害者参加に問題点」 支援NPOが地裁に質問状提出へ(5/29)
 高知弁護士会犯罪被害者支援委員会とNPO法人「こうち被害者支援センター」は5月28日、高知地裁で17~19日にあった被害者参加制度を適用した裁判員裁判で、同制度の運営に問題があったとして、近く地裁に質問状を出すことを決めた。この裁判では、被害者の遺族3人が出廷。同センターは(1)遺族3人は検察官の近くの席を希望したが、2人は傍聴席への着席を求められた(2)傍聴人から見えないように遮蔽(しゃへい)措置を希望したが、認められなかったとして、これらの措置について理由を質問する。

【福岡】手話通訳交えた模擬裁判(5/31)
 耳の不自由な人が裁判員を務めることを想定した手話通訳の研修会が5月29日、福岡市早良区の西南学院大法科大学院で開かれた。県聴覚障害者協会の主催で、弁護士や手話通訳士ら約50人が参加して模擬裁判を実施。複数が話した場合の対応などが課題になった。30日も開かれる。

【福岡】介助犬普及に支援を(5/28)
 体の不自由な人の生活を助ける介助犬のロータスと福岡市の会社員白木祐子さん(27)のペアが5月27日、糸島市役所を訪れ、介助犬の認知度アップへの支援を訴えた。ロータスと白木さんは県内第1号の介助犬とユーザーで、九州では2組目。ロータスを育成したNPO法人九州補助犬協会(糸島市)には、訓練を終了した2頭の介助犬候補もおり、ユーザーを募っている。

【福岡】老人施設に車いす トヨタ九州が贈る(5/25)
 トヨタ自動車九州(宮若市)は5月24日、従業員が集めた空き缶のプルタブやペットボトルのふたを換金して購入した車いす1台を、同市磯光の特別養護老人ホーム「照陽園」(永田長子施設長)に寄贈した。

【長崎】不登校 寄り添う声(5/31)
 「登校拒否を考える親の会」が昨年の20周年記念講演などをまとめた「20年のあゆみ」を発刊した。登校拒否経験者や、その親の体験談に加え、研究者らの講演を収めた。同会世話人の井形和子さん(73)=長崎市=は「登校拒否への理解が広がってほしい。当事者や親には、同じ苦しみを抱えて先を歩んだ人の経験を読んで、楽になってくれれば」と話している。

【熊本】「預ける前の相談で子供の運命変わる」(5/26)
 熊本市の慈恵病院が運用する赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」に2009年度1年間で預けられた子は、設置後3年間でもっとも少ない15人だった。同病院は「預ける前の相談で子供の運命は変わる」と訴え、最後の手段としてゆりかごが使われた場合も、養子縁組などで公的機関の協力を改めて求めた。

■今週の本
「漢拏山へひまわりを――済州島四・三事件を体験した金東日の歳月」 (金昌厚著・李美於訳、新幹社選書)=5/27夕刊コラム「窓」で紹介。
 金東日さんは今の韓国・済州島生まれ。解放後の1948年、南北分断固定化に反対する人々が同島で蜂起した「4・3事件」に巻きこまれ、漢拏山(ハルラサン)にこもった武装部隊の側に加わった。レポ役として秘密の通信文を髪留めに挟み、ススキ野原を走り抜けた。多くの仲間が殺された・・・・・・。彼女は体験を長年打ち明けられなかった自分を「冷蔵庫の中の凍った肉」に例える。その歳月を、済州島の歴史家金昌厚さんが聞き記した。