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人権・校閲

こちら人権情報局

子どもに会って、手渡してあげて

〈特に注記のない場合、新聞記事の日付などは東京本社最終版です〉
〈asahi.com内の記事へのリンクについて=日付の古いものは表示されないことがあります〉

■今週のことば

「子どもたちに贈り物を届ける人が増えているのは、とてもいいことだと思います。でも、僕の経験から言わせていただくと、匿名で届けるよりも、子どもに会って、手渡してあげてほしい。施設で暮らす子が一番求めているのは、人との触れ合いだからです」(1/15長野版「広がるタイガーマスク運動 グレート☆無茶さんに聞く」から)

子どもに会って渡して 広がるタイガー運動、グレート☆無茶さんに聞く /長野県拡大「タイガーマスク」を手にして話すグレート☆無茶さん=長野市の信州プロレスアリーナ

◎グレート☆無茶さんは、社会人らでつくる「信州プロレスリング」の代表として、児童養護施設の子どもたちと交流している。「ブームで終わってほしくはないし、施設以外にも広がってほしいですね。『善意』は、みんなが持っているでしょう。モノでなくてもいい。子どもたちと一緒に遊び、愛情を注いであげる。それが何よりのプレゼントだと思います」

  ※ヒーローの名前でひそかに届ける」というやり方が、寄付へのハードルを低くした面もありそうですが、児童養護施設職員からは「贈り主がわかれば、お礼状を出すこともできる。好意に対する感謝の気持ちを育てるために、身元を明かしてほしい」(1/16生活面「タイガーマスクの心得」)という声もあります。
 また、児童養護施設出身を公表している茨城県高萩市の草間吉夫市長は、「温かい善意の輪が広がっていくことは非常にうれしい。モノをあげたら終わり、ではなく、これを機に家族で暮らせない子どもたちへの理解を深めていただきたい。施設出身者は大人になっても就職や結婚などで差別されがちだが、そうした偏見は無知からくる。タイガーマスク運動を、子どもたちの置かれた現実を知る一歩にしてほしい」と話しています(同)。毎日新聞(1/14夕刊「タイガーマスク運動 善意届いた児童養護施設」)では、東京都北区の「星美ホーム」副園長の山本英人さんが、いまだに一部の人から差別や偏見を持って見られがちだとして、「児童養護施設がどういう施設か知らない人が多いと思う。『孤児院』のイメージが強いかもしれないが、ここに入る事情はさまざまです」と理解を求めています。
 一方、こんなエピソードも--大型小売店でクリスマスイベント用の景品が大量に余ってしまった。サンタクロースとして近隣の児童施設へ贈ろうとしたが、丁重に断られた。「子どもたちはとても喜ぶでしょう。でも、来年サンタが来なかったら、彼らはきっと自分が悪い子だと思ってしまう。それが可哀想なんです」(1/16声欄「贈り物をするのは実は難しい」)。今年限りに終わらせず、続けることも大切です。
 児童養護施設に寄付をしたい場合、全国児童養護施設協議会のホームページ(http://www.zenyokyo.gr.jp/)に施設の一覧が掲載されています。

【京都】このカイロ使ってあったまって 障害者施設に贈り物(1/16)
 全国で相次いでいる児童養護施設などへの匿名の贈り物。宇治市槇島町の障害福祉サービス事業所「宇治川福祉の園」では13日夕、使い捨てカイロ20個が通用口の門に置かれているのを職員が見つけた。同事業所によると、「寒いところで働いているみなさん このカイロをつかってください」というメモもあり、送り主は「ドラエモン」だったという。

■本

障害あっても強く! 添田の祓川さんが21年間の日記出版 /福岡県拡大著作を手にする祓川晃子さん=福岡県添田町
◎「晃子の日記 障害があっても強く生きる!」(文芸社)=1/18筑豊版「障害あっても強く!」から
 知的障害を持つ福岡県添田町落合の祓川(はらいかわ)晃子さん(38)が、27年間にわたって書きためた日記の一部を記録した。家族との日常や、大好きな読書の感想文などが、折々の写真とともに収められている。仮死状態で出生した晃子さんは言語発達に障害があった。だが、小学校6年の夏、教員の指導で絵日記を書いたことをきっかけに、文字を書くことが楽しくなったという。

◎「『生徒の自己開示』で始まる高校の学校開き」(明治図書)=1/14大阪版「生徒語った『私』本に」から
 上級生が新入生に自分たちのことを語る「学校開き」の行事を続けている大阪市東淀川区の府立柴島(くにじま)高校が、その言葉などをまとめた単行本を出版した。両親の離婚、差別発言を受けた体験など、生い立ちや悩みについて全校生徒の前で発表したことを収録。有本昌剛校長は「学校開きは、生徒がお互いの違いを認めて受け入れる環境づくりに役立つ」と話している。

■今週の注目記事

■駅ホームの安全
全盲の男性が転落、電車にひかれ死亡 JR山手線目白駅(1/17)
 16日午後5時15分ごろ、東京都豊島区のJR山手線目白駅で、全盲の同区北大塚1丁目、マッサージ師武井視良(みよし)さん(42)がホームから線路に落ち、電車にひかれて死亡した。目白駅のホームには、点字ブロックは整備されているが、ホームドア(可動式ホーム柵)は設置されていなかった。

  ※朝日新聞では1月9日付「ホーム事故最悪ペース」と「ホームドア 普及に障壁」で駅での転落事故について書いています。ホームドアの効果ははっきりしているものの、多額の費用などが壁となって、設置は進んでいません。 19日付社説「命守る欄干を、急いで」、20日付オピニオン面「改善しないと再び起こる」(田中徹二・日本点字図書館理事長)でもこの問題を取り上げました。亡くなった武井さんは、視覚障害者が楽しめる「ブラインドテニス」の考案者でした。
 また、産経新聞(20日付)によると、東京都内に住む全盲者を対象にしたアンケートで、約7割が駅のホームから転落した経験を持っていると回答しているとのことです。

◇ホームドア ホームに壁を作り、車両と同じ位置にドアを設けて同時に開閉する設備。国内で初めて設置されたのは1974年の東海道新幹線熱海駅とされる。国土交通省によると、2010年3月末時点で、設置駅は全国で449駅と全体のわずか4.7%。同省によると、06年の「バリアフリー新法」施行から設置が進んだ。

■阪神大震災

震災で障害「私も」 実態調査から漏れる人々、失望募る(1/17大阪本社版)
 阪神大震災で身体が不自由になった「震災障害者」。初の実態調査に行政がようやく踏み切ったが、その対象から抜け落ちた人たちがいる。震災発生日に負傷した事実が、書面などで確認できなかったためだ。長年、救済の枠組みから取り残されたうえ、調査からも漏れた失望感が募る。支援団体は「行政の怠慢」と憤りを隠さない。

ハイチ被災少女、神戸で心の交流 阪神大震災の障害者ら訪問 /兵庫県拡大阪神大震災によって障害者となった人たちと交流するガエル・エズナールさん(左から2人目)=16日午後、神戸市中央区
【岡山】右足 ありがとう/AMDA報告会(1/17)
 ハイチで震災被災者を支援する国際医療NGO「AMDA」(岡山市)の報告会が15日、岡山市内であり、義足の提供を受けたハイチ人女性が感謝の言葉を述べた。報告会に招かれたガエル・エズナールさん(18)はがれきの下敷きで右足を切断したといい、「歩けるようになるなんて考えられなかった。これからも活動を続けてほしい」と要望した。21日まで日本に滞在し、阪神大震災で障害を負った被災者と交流する。

身体障害者手帳に「自然災害」項目 神戸市、追加を検討(1/15大阪本社版)
 阪神大震災による障害者の実態調査を進める神戸市の矢田立郎市長は14日、自然災害で障害を負った人を把握するため、身体障害者手帳の申請書類の原因欄に「自然災害」の項目を追加することを検討する考えを明らかにした。

災害障害者への見舞金、要件緩和を 研究者らが要望書(1/13大阪本社版)
 神戸大の岩崎信彦名誉教授(社会学)は12日、災害による障害者に対する見舞金支給の要件緩和を求める要望書を、衆参両院の災害対策特別委員会に所属する国会議員60人や厚生労働相らに送ると発表した。議員立法による法改正を求めている。

■その他

性同一性障害の小6男児に抗ホルモン治療へ 大阪医科大(1/20大阪本社版)
 心と体の性が異なる性同一性障害(GID)と診断され、女児として兵庫県内の小学校に通う6年の男児(12)に対して、大阪医科大(大阪府高槻市)は思春期の体の変化を一時的に止める「抗ホルモン療法」を行うことを決めた。2月に始める予定。同大によると、小児のGID治療で抗ホルモン剤を投与するのは全国初という。

制度の存在知らず40年 障害年金受給権あり 神戸地裁(1/13大阪本社版)
 障害基礎年金制度の存在を知らなかった神戸市西区の女性(63)が、20歳当時にさかのぼって年金支給することを認めない国を相手取り、不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が12日、神戸地裁であった。訴訟では支給のために当時の医師の診断書が必要かどうかが争われたが、栂村明剛(つがむら・あきよし)裁判長は「他に合理的資料が得られる場合には(過去の)障害の程度を認定できる」と判断。家族らの証言などをもとに、不支給処分を取り消す判決を言い渡した。

■映画

アムネスティ・フィルム・フェスティバル
 1月29、30日、ヤクルトホール(東京都港区東新橋)。1950年代の在日コリアンの状況を捉えた「朝鮮の子」、首都圏アイヌの声を伝えるドキュメンタリー「TOKYOアイヌ」、「ハーヴェイ・ミルク」「ビルマVJ 消された革命」などを上映。

■イベント

【静岡】多文化共生テーマにシンポ 29日、静岡文化芸術大(1/20)
 静岡文化芸術大学は29日午後1時から、「外国人市民の社会参加と多文化共生のまちづくり」と題したシンポジウムを浜松市中区中央2丁目の同大学で開く。無料。事前予約不要。

■マイタウン>asahi.comから

【北海道】元ウタリ協会理事長・秋田さん死去(1/16)
 新ひだか町内で15日早朝、元北海道ウタリ協会(現北海道アイヌ協会)理事長の秋田春蔵さん(83)の自宅が焼け、秋田さんが遺体でみつかった。地元ではアイヌ民族の権利回復に尽力した秋田さんの突然の死を惜しむ声が広がった。

【多摩】働く場広げる手作り弁当 青梅「なかま亭」(1/14)
 東京都青梅市今寺4丁目の知的障害者通所授産施設「なかま亭」に、3棟目の作業所「第3なかま亭」が完成した。弁当の仕出しと食堂を運営する施設で、料理は「ヘルシー、安い、おいしいと三拍子そろっている」との評判でファンが増え、従来の施設が手狭になったためだ。

【東京】「いじめ防止プログラム」指導者養成 22日から講座(1/17)
 NPO法人「湘南DVサポートセンター」は22日から、子どもが自ら企画し行動する「いじめ防止プログラム」の指導者を養成する講座を開く。

CPサッカーで銅、代表3選手が報告 アジア・パラリンピック /神奈川県拡大谷口泰成さん(中央)ら3選手が銅メダル獲得を報告した=横浜市神奈川区出田町

【神奈川】アジア・パラリンピック CPサッカーで銅(1/17)
 中国・広州で昨年12月に開かれたアジア・パラリンピックの「CPサッカー」で銅メダルを獲得した日本代表選手が16日、横浜市神奈川区で所属クラブが開いた子ども向けのサッカー教室でメダル獲得の報告をした。CPサッカーは、脳性まひ(Cerebral Palsy)や頭部の外傷などで障害を持つ選手による7人制サッカー。

【神奈川】県デートDV110番、毎週土曜に開設(1/13)
 恋人からの行為に悩んでいませんか―。県は、デートDV(交際相手からの暴力)に特化した電話相談窓口「デートDV110番」を始めた。今月8日から毎週土曜日に常設しており、10~20代を中心に当事者のほか、友人、保護者など周辺の人からの相談も受け付ける。

【長野】精神科医療の中核へ 駒ケ根病院、児童思春期病棟も新設(1/16)
 県立駒ケ根病院の新本館棟が駒ケ根市下平の旧病棟隣に完成し、15日に完工式と見学会が行われた。県内初の児童思春期病棟など精神科医療の中核を今後担うことになる。正式名称は、公募で選ばれた「県立こころの医療センター駒ケ根」。24日に診療を開始する。

【長野】寄り添うケアのびのび 伊那の宅幼老所(1/13)
 伊那市西町の空き家がこの冬、宅幼老所に生まれ変わった。利用するお年寄りに昼寝やレクリエーションといった時間の縛りはない。運営するのは、地元高校の同窓生で気心が知れる女性4人。うち3人は看護師、介護福祉士、ケアマネジャーの資格を持っている。4人目の施設代表者、小田切さつきさん(59)が、亡くなった義理の両親の家を改修して夢を実現した。

【静岡】迫る)重い役割 なり手不足(1/16)
 生活に困っている人らの相談に乗り、介護や生活保護といった行政サービスとの橋渡し役となる民生委員。一人暮らしの高齢者が増える中、地域の「見守り役」が果たす役割は重いが、なり手不足が解消されない。昨年12月には、3年に1度の改選が全国一斉に行われたが、県内35市町のうち29市町で定員を割り込む結果となった。

【岡山】出所後の障害者・高齢者支援 県がセンター開設(1/18)
 刑期を終え出所しても、家族も仕事もなく、刑務所に舞い戻ってしまう。そんな障害者や高齢者の再犯を減らそうと、「県地域生活定着支援センター」(岡山市)が17日、オープンした。 職員4人。対象者の出所の数カ月前から、受け入れ施設や身元引受人の確保、要介護認定や生活保護などの福祉サービスについて検討する。当面、支援対象者は10人前後いるという。

【高知】レトロな土蔵、型破りアートの拠点に 9月開館目標(1/15)
 高知市南金田の江ノ口川沿いに残るレトロな土蔵群を活用し、既成概念にとらわれない美術作品「アール・ブリュット」を展示・創作する美術館を開く計画が進んでいる。開館の目標は9月。アール・ブリュットはフランス語で「生の芸術」という意味で、伝統的な美術教育を受けていない人が既成の美術概念にとらわれずに表現した作品を指す。知的・精神障害がある作家も多い。日本のアール・ブリュットはヨーロッパでも注目を集めている。