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人権・校閲

こちら人権情報局

目指せ越境人

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■今週のことば

「越境人へのパスポートを手にしていますか」。在日コリアンが主に通う中高一貫のインターナショナルスクール「コリア国際学園」(KIS、大阪府茨木市)の卒業式。嚴敞俊(オム・チャンジュン)校長は祝辞でこう呼びかけた。「越境人」は同校の教育がめざす理念だ(2010年2月28日大阪版「越境人目指し、1期生が卒業」から)

「越境人」へ、1期生巣立つ コリア国際学園、開校3年 /大阪府拡大自分たちで作詞し、教員が作曲した歌「奇跡の学校」を歌うKIS第1期の卒業生9人=茨木市

 出稼ぎや徴用で来た朝鮮半島出身者に4世や5世が生まれ、国際結婚や仕事で来日する人も増え、在日コリアンの定義が多様化する中、既存の北朝鮮系や韓国系の民族教育と違った姿を求める声が高まり、KISは設立された。唯一の日本人で生徒会長を務めた今庄貴博さん(18)は「日本人は母国語しか話せないというイメージを変えたい」と入学した。コリア語は全くできなかったが、韓国の名門・延世大に合格するまでになった。この日は答辞に立ち、「未知の存在」だった在日コリアンに囲まれ、最初は不安を感じたが、何でも本音で話し合える習慣がついたと語った。「越境人が何かまだ自分は見つけられていない。それを探しに韓国へ行きたい」と式後の取材に答えた。

■今週の注目記事

◎大阪人権博物館、展示新装幅広く リニューアルオープン(3/1大阪版)
 大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)が1日、リニューアルオープン。被差別部落や在日コリアン、アイヌ民族の差別の歴史や実情を伝える展示を中心としていたのに加え、児童虐待やいじめ、エイズなどの課題を幅広く取りあげた。常設展は「いのち・輝き」「共に生きる・社会をつくる」「夢・未来」の3ゾーン。小中学生らの人権教育に活用できる施設をめざし、民族楽器やユニバーサルデザインの日用品に触れるなどの体験コーナーを多く設けたり、説明をわかりやすくしたりする工夫をした。吉村智博学芸課長は「学ぶだけでなく、感じてもらえる博物館になった。学校との連携もより深めたい」と話す。

求職報告実績を厳格審査へ 大阪市、生活保護申請で(2/25大阪本社版)
 全国最多の生活保護世帯を抱える大阪市が、保護申請をした65歳以下の「働ける年齢層」に対し、求職活動の実績を厳格に審査する異例のガイドラインをまとめたことがわかった。方針に従わない場合は申請却下を示唆する書面を手渡す内容で、支援団体から「就労可能な層を締め出そうとする新たな『水際作戦』だ」との批判が出ている。

児童虐待

◎「タイガーマスク」の灯を消すな 施設退所する子らへ基金(3/2)
 父親の育児支援に取り組むNPO法人ファザーリング・ジャパン(安藤哲也代表)が1日、「タイガーマスク基金」を立ち上げた。全国に広がった児童養護施設への支援の輪を、一過性のブームに終わらせないように寄付を募り、集まった資金は、施設を退所する子どもや支援団体への援助に充てる。施設の現状を知る学習会なども企画していくという。寄付金は、三菱東京UFJ銀行千駄木支店の「タイガーマスク基金」名義の口座(普通0135667)へ。詳細は基金のホームページで。

【滋賀】子育てピンチ 里親らが助っ人に(3/1)
 県の「子どもと家族を守る家づくり」事業が新年度から本格的に始動する。地域の里親や元保育士ら約40人の自宅を「守る家」として登録し、育児に悩む親たちから、子どもを最長で1週間預かる「ショートステイ」を担う。事業のアドバイザーでもある「こばと子ども家庭支援センター」(大津市)の山本朝美所長に、受け入れに向けた課題などを聞いた。

大阪出身のプロレスラー・コマンドボリショイさん 慰問・招待、勇気づけて20年拡大試合観戦に招待した子どもをリング上で抱え上げるコマンドボリショイ選手=大阪市中央区
私もタイガーマスク 施設で育ったボリショイ「夢与えたい」(2/28)
 タイガーマスクを名乗る匿名寄付の輪が広がるなか、「これを機会に児童養護施設に目を向けて」と願う女子プロレスラーがいる。覆面レスラーとして戦う大阪出身のコマンドボリショイ。これまでは施設で育った生い立ちを伏せてきたが、「運動」をきっかけに、子どもを試合に招待したり、施設を慰問したりする活動を20年続けてきた思いを語った。

児童ポルノ、サイト全体遮断へ ネット業者ら基準策定(2/26)
 児童ポルノの掲載サイトをインターネット接続事業者が遮断する「ブロッキング」の実施基準を、業界や識者などによる「児童ポルノ流通防止対策専門委員会」が2月25日定めた。幼い児童の性交場面など児童の権利が著しく侵害される画像が一つでもあれば、サイト全体を遮断する。小学生以下を想定しているという。

【大阪】児童虐待 倍増1032件 7人死亡、事件化30件(2/25)
 大阪府警が昨年1年間に把握した児童虐待の件数が、過去最高の1032件にのぼったことが、府警のまとめでわかった。やはり過去最高だった前年の490件からさらに倍増し、4年前の5倍に達した。少年課は「虐待事件が相次ぎ、社会の関心が高まって通報が増えた」とみている。

【奈良】父「長男に償う」/5歳児虐待死、初公判(2/24)
 奈良地裁(橋本一裁判長)で2月23日にあった桜井市の5歳児餓死事件の裁判員裁判。保護責任者遺棄致死罪に問われた父親の元会社員、吉田博被告(36)は起訴内容を認め、「長男の身も心もズタズタにし、恐怖と孤独と絶望を植え付けてしまった」と声を震わせ、「長男に償う資格を得るため、誠心誠意裁判に臨みたい」と裁判員らに頭を下げた。

児童ポルノ個人所持禁止 「廃棄命令」も 京都府答申案(2/22大阪・名古屋本社版)
 京都府は、18歳未満の児童のわいせつな画像や映像について、法律で規制されていない個人的な所持を禁じ、廃棄命令を出せる罰則付きの児童ポルノ規制条例を定める方針を固めた。有識者の検討会議が開かれ、これらの内容を盛り込んだ答申案をまとめた。個人への廃棄命令を定めた条例は全国でも例がない。府は今年中の制定を目指す。

  ※「日本は(児童養護施設)入所者の約60%が虐待を受けた児童であるにもかかわらず、依然として『戦後の孤児収容施設的な発想』から抜け出ていないのが実態」(高橋重宏・日本社会事業大学長、3月2日朝日新聞オピニオン面)とのことです。高橋さんは、ソーシャルワーカーとグループホームの職員や里親などを中心に、「子どもたちをコミュニティーで育てる」ということを訴えています。また、毎日新聞で3月2日から「殺さないで 親権見直し」という連載が始まりました。児童虐待の深刻化を受け、親権制度を見直す民法改正案が国会に提出されるのを機に「親権一時停止が創設される改正案で事態は打開されるのか。虐待の根源にある親権の問題を追う」というものです。

■「世界希少・難治性疾患の日」

膠原病患者「友の会」、ひな人形を作り交流 八戸、9人参加 /青森県拡大ひな人形を作って交流する「みつばち会」のメンバーら=八戸市
【青森】膠原病患者「友の会」ひな人形を作り交流(3/1)
 三八地域に住む膠原(こうげん)病の患者でつくる「友の会」(愛称・みつばち会)が2月28日、交流会を八戸市で開いた。多くの人に膠原病や難病について知って欲しいと、交流会の様子はインターネットの動画サイトでも公開する。28日は難病患者の生活向上を目指す「世界希少・難治性疾患の日」

【徳島】「難病東大生」著者、難病支援の募金箱を設置(3/1)
 徳島市出身で自らの闘病記をつづった「難病東大生」(サンマーク出版)の著者の内藤佐和子さん(26)が2月28日、徳島市両国本町2丁目の喫茶店「ウッドアイビス」に難病支援の募金箱を設置した。3月31日まで。集まった募金は全額、県内の難病患者や家族が会員の「とくしま難病支援ネットワーク」(藍住町)に寄付する。

■イベント

シンポジウム「今、アイヌであること」 6日、東京・千代田
 6日13時、東京都千代田区の法政大市ケ谷キャンパス58年館。アイヌを先住民族と認識し、多様な文化・民族が尊重される政策のあり方を議論する。本多俊和放送大教授、佐々木利和北海道大教授ら。日本学術会議人類学分科会などの主催。申し込み不要・無料。

【岡山】「べてるの家」スタッフら講演/6日倉敷(3/3)
 統合失調症など精神疾患の人たちを受け入れる「べてるの家」(北海道浦河町)のスタッフらを招いた「べてるのまつりin岡山」が6日、川崎医療短大(倉敷市松島)で開かれる。「べてるの家族論」と題した講演(10時~)や、他人とのつながり方を学ぶソーシャル・スキル・トレーニング(SST、13時~)がある。

■映画

【愛知】ニュータウンの高齢化問題、女子大生が迫る 短編映画に(2/28)
 椙山女学園大学(名古屋市千種区)の女子大生8人が、大規模ニュータウンを半年間かけて密着取材し、高齢化や空洞化など都市問題を考えるドキュメンタリー短編映画に仕上げた。「街づくりの輪が広がってほしい」と、インターネットで公開を始めた。映画は大学のホームページで見ることができる。

■本

◎「近代部落史」(黒川みどり、平凡社新書)=2/27読書面
 1871年の「解放令」以後、制度的には「平民」と同等とされながら、現在にいたるまで差別の対象となってきた被差別部落。「人種主義」を基軸とする根強い差別の構造など、部落問題から日本の近代社会を問う。コンパクトかつ充実の通史。

■マイタウン>asahi.comから

【秋田】孤立しがちな高齢者の命守れ 自殺防止運動実行委が訴え(3/2)
 自殺予防に取り組む民間団体が立ち上げた「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」(袴田俊英会長)が今年から3月1日を「いのちの日」と定め、イベントを行った。経済苦による自殺には一定の歯止めがかかったが、健康問題を抱え、家族から孤立しがちな高齢者層には、まだ有効な対策を打てておらず、これからの予防活動の焦点になる。

腕を使って、こいだ・疾走した シットスキーに16人挑戦 十和田湖大会 /秋田県拡大シットスキー競技に挑む子どもたち=小坂町十和田湖
【秋田】腕を頼りに滑って力走 十和田湖畔でシットスキー挑戦(2/27)
 北東北の小中学生たちが競い合う第21回DOWA杯ジュニア・クロスカントリースキー十和田湖大会(朝日新聞秋田総局など後援)が2月26日、小坂町の十和田湖畔にある十和田ふるさとセンター前で始まった。この日は、スキー板の上のいすに座って滑るシットスキーなどの競技があった。この競技はパラリンピックの種目の一つ。DOWA杯では4年前から採り入れている。

【山形】イクメン、前年から半減 10年の男性育休取得0.6%(2/26)
 県内で昨年、男性が育児休業を取得した割合は0.6%で、前年の半分に落ち込んだことが県の調査でわかった。県は「景気の回復基調で仕事が忙しくなり、男性が休暇を取りづらかったのでは」と分析。取得率の向上に、さらに努める考えだ。

【福島】障害者雇用なお途上(2/28)
 昨年12月末、福島市内の住宅が全焼し4人が死亡した火災で、現住建造物等放火の疑いで逮捕されたのは知的障害がある男性だった。男性が追い詰められた背景に障害者の働く場が少ないことがあると専門家が指摘した通り、県内の企業では昨年、障害者の実雇用率が1.61%で全国39位だった。障害者の雇用をめぐる現状と課題を探った。

【茨城】宇宙、触って感じて 視覚障害者向けに天文資料 常磐大(2/25)
 目の不自由な人が、掌(てのひら)で宇宙を体感できる。特殊なでこぼこ写真を駆使した「さわれる天文資料」だ。常磐大コミュニティ振興学部の中村正之研究室が開発に取り組み5年余り。立体写真に点字や音声ガイドを加えた標準様式を考案し、惑星や星座を中心に80種以上の作品を制作した。展覧会の依頼が絶えず、鑑賞者は全国で7千人を超えた。障がい者の心に希望をともす技術は、図書資料などへ応用する研究も進んでいる。

【埼玉】県立特別支援学校/男児、入学断念(3/2)
 脳性麻痺(まひ)で肢体不自由障害のある川越市内の男児(6)の父親(40)が1日、市役所で記者会見し、県から求められた付き添いができず、今春に就学期を迎える男児の県立特別支援学校入学を断念したと明らかにした。就学義務猶予の手続きを取り、現在と同じ市内の保育所に通うことになったという。県は「改善に向け対応する」としている。

【埼玉】発達障害児支援に力(3/1)
 県は新年度から、自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害など、コミュニケーションや社会性に困難を抱えやすい発達障害の子どもと親の支援に本腰を入れる。各市町村や保育所、幼稚園などで、発達障害の知識を持つ「支援マネージャー」や「支援サポーター」を育成する。庁内に専門グループも設け、部局を超えた支援につなげるという。

【神奈川】点字パンフ・手話通訳バリアフリー能、3月に公演(2/25)
 障害がある人にも能や狂言を楽しんでもらおうと工夫した「バリアフリー能」公演が3月19日、横浜市西区の横浜能楽堂で開かれる。点字パンフレットや、手話通訳のほか、途中入退場を自由にするなど、さまざまな障害に対応できるようサポートはきめ細かい。

【新潟】防げ自殺「電話相談を」(3/2)
 新潟市は自殺対策の一環として、平日の夜間と休日の昼間に電話で悩み相談を受け付ける「こころといのちのホットライン」を開設し、1日から業務を始めた。自殺対策の電話相談では、毎日24時間受け付けている民間ボランティアの「いのちの電話」があり、「市が同じことをする必要があるのか」との声も上がるが、市は「いのちの電話と連携しながら、すみ分けを図っていきたい」としている。

【山梨】自殺対策会議 カメラ設置 連携強化を確認(3/1)
 青木ケ原樹海を中心とした自殺対策を話し合う「いのちをつなぐ青木ケ原ネットワーク会議」が、富士吉田市で開かれた。樹海で1月までの10カ月に監視員が声をかけた数は138件に上る。新たに防犯カメラ6台も設置され、今後も連携と対策強化を図っていくことを確認した。

【福井】空き缶を回収し車いすを寄付 敦賀・沓見小(2/25)
 敦賀市沓見の市立沓見小学校(石原秩子校長、119人)の児童が、市社会福祉協議会に車いす4台(12万円相当)を贈った。昨年3~12月に、学区内の住民から空き缶約1720キロを回収して得た資金で購入した。同小は1999年度から、この4台を含めて計31台を同社協に贈っている。

【岐阜】<美濃市>買い物弱者65歳以上6千人調査(2/25)
 高齢化が進む美濃市は、「買い物弱者」の実態調査を始める方針を明らかにした。お年寄りのうち、どのくらいの人が日常の買い物に支障を来しているかを調べる。本格的な調査は初めてで、年内に結果をまとめ必要な施策を考えるという。

【三重】イクメン伊勢市長「楽しい」 若い母親の声聞く機会も(2/24)
 伊勢市の鈴木健一市長(35)と妻の美記さん(34)はいま、二人で子育ての真っ最中だ。昨年8月に初めての子どもが誕生した後、鈴木市長は「イクメン宣言」をした。同10、11両月に計3日、公務に支障がない日を選んで「育休」。おむつの交換や洗濯、食事の後片づけ……。「自分でできること、気付いたことをするように意識を変えたことで、育児が楽しくなった」

【兵庫】不正駐車禁止!!障害者専用駐車場/姫路(2/28)
 播磨地方にある大規模商業施設の障害者用駐車スペースで健常者の乗り入れと見られる「不正駐車」が後を絶たない。各施設が警備員巡回や進入防止のコーン設置を進める中、姫路市延末でオープンした「ロックシティ姫路ショッピングセンター」では、事前貸与した専用リモコンで入り口のバーを開閉させて車の出入りをしてもらうシステムを導入した。身体障害がある市民らの反響を呼んでリモコンの貸与希望者が殺到し、新規の貸し出しが当面できない人気ぶりだ。

(魅・人・伝)国際医療福祉大教授・斉場三十四さん 鳥栖市 障壁見つけ辛口/佐賀県拡大斉場三十四さんと、設計に関わったバリアフリー家具=福岡県大川市の国際医療福祉大学
【佐賀】魅・人・伝 国際医療福祉大教授の斉場三十四さん(2/27)
 空港でのこと。「急ぐ人のために、エスカレーターの片側を空けてください」と告げるアナウンスにじっと自分の松葉杖を見る。バランス上、片側には立てない。職員が「金属探知機が反応するから」と差し出したのは、自分のとはタイプが違う簡略な杖。「それで歩けるなら、使いたいよ。僕の姿を見れば分かることなのに。マニュアル通りの対応が、思い巡らす能力を奪っている」

【熊本】水俣でもやい音楽祭 患者らの曲披露(2/28)
 水俣病患者や障害者がつくった歌を発表するもやい音楽祭が2月27日、水俣市の市文化会館であった。自立、恋、支えてくれた人々への感謝……。集まった600人の聴衆を前に、さまざまな思いをのせた曲が披露された。