メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

人権・校閲

こちら人権情報局

本名取り戻し「満10歳」

(特に注記のない場合、新聞記事の日付などは東京本社最終版です〉
〈asahi.com内の記事へのリンクについて=日付の古いものは表示されないことがあります〉

■ハンセン病隔離 違憲判決から10年

 国立ハンセン病療養所の入所者でつくる全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)は、療養所の職員施設の空き部屋や空き地などに東日本大震災の被災者を受け入れることを決めました(「ハンセン病療養所で被災者受け入れ方針 入所者団体」朝日新聞5月12日夕刊)。入所者の方たちは、東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難を強いられた人たちへの差別問題に心を痛めたといいます。2003年、熊本・黒川温泉のホテルが「他の客に迷惑がかかる」と療養所入所者の宿泊を拒否した事件を思い出したからです。「ハンセン病問題で教訓とされたことが何も解決されていない」と痛感したとのことです(「『被災者を療養所に』ハンセン病入所者協」毎日新聞5月12日夕刊)。

 ホテル宿泊拒否事件では、療養所や入所者を非難する匿名の電話や手紙が殺到しました。01年にハンセン病の隔離政策は違法とする熊本地裁の判決が出ていたのに、世間の差別意識には根強いものがあったのです。5月11日は、その熊本地裁判決から10年の節目でした。

療養所入所者の上野正子さん/ハンセン病隔離、違憲判決10年【西部】拡大講演後の懇親会で参加者と語り合う上野正子さん=福岡県小竹町
 国立ハンセン病療養所星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)の入所者で、ハンセン病熊本訴訟の最初の原告の一人だった元患者の上野正子さん(84)の講演会が、福岡県小竹町で開かれました。ハンセン病回復者の多くが、偏見のために仮名を使うことを余儀なくされていましたが、上野さんは判決を機に本名を取り戻し、「今日が私の誕生日です」と喜びました。この日の講演では「満10歳になりました」と語っています(「本名取り戻し『満10歳』」朝日新聞5月9日福岡版、「人間回復 実感 本名で講演 手を隠さず外出」朝日新聞5月11日西部本社版)。上野さんとハンセン病訴訟については、朝日新聞1月27日の「ニッポン人脈記 隔離の記憶1 裁判、負けたら死にます」もお読みください。

 療養所と地域の交流を進めるため、国立療養所の敷地内に保育園をつくる計画が進んでいます。多磨全生園(東京都東村山市)では来年春にも開設予定で、菊池恵楓園(熊本県合志市)でも準備が進んでいます(「療養所 子の成長と歩む」朝日新聞5月14日東京版、「ハンセン病 判決から10年、差別や偏見に変化は」朝日新聞5月12日熊本版)。また、長島愛生園(岡山県瀬戸内市)は、介護や保育施設を開所して地域福祉を向上させること、邑久光明園(同)はCTや骨密度測定装置などを備えた医療施設を地域住民に利用してもらうことなどを構想しています(「ハンセン病療養所、人権学習の場へ すすめる会が構想」朝日新聞5月1日岡山版)。震災の被災者受け入れも、こうした動きのひとつになることでしょう。

 一方で、隔離政策によって人里離れた地に追いやられたため、立地などの制約から将来構想を描けていない療養所もあります。瀬戸内海の離島にある大島青松園(高松市)、奄美大島の奄美和光園(鹿児島県奄美市)などです。大島青松園では、連絡船の民間委託問題が持ち上がり、暮らしの維持を心配する声が上がっています(「療養所開放 まだ手探り」朝日新聞5月31日西部本社版)。夜間緊急時の対応や便数の確保に不安があるということです。毎日新聞5月12日「記者の目」は「安心して生活できるよう、入所者の心情を一番に考え、施策を実行することが国の果たす最低限の責任ではないか」と問いかけています。

「人権学習ができる島に」 長島愛生園で64年、石田さん講演(毎日新聞5/12岡山版)

熊本国賠訴訟勝訴10年 今も「隔離」 志村さん、差別恐れ故郷に帰れず(毎日新聞5/11西部本社版)

第7回ハンセン病市民学会総会・交流集会in名護・宮古島集会(5月20~23日)

企画展「かすかな光をもとめて-療養所の中の盲人たち-」
 7月24日まで、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)。有効な治療薬がなかった時代、失明した入所者たちの姿を紹介。手足が不自由で感覚がない上に失明と、患者は何重もの障害を抱えた。展示では、不自由な手で点字を打つため手作りした点筆や所内の生活改善のための運動の様子などを紹介。月曜休館。

塔和子展
 5月21日~6月26日、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)1階ギャラリー。6月11日には、塔和子さんの詩をモチーフにしたドキュメンタリー映画「風の舞」の上映も。月曜休館。

塔和子さん:大島青松園の元ハンセン病詩人 出身地の西予に文学碑や資料室(毎日新聞5/10愛媛版)

■本「フォトルポルタージュ 輝いて生きる-ハンセン病国賠訴訟判決から10年-」(八重樫信之著、合同出版)
 新聞社のカメラマンだった著者は、障害のある人の写真は、後ろから撮ることが人権に配慮した撮り方だと思いこんでいた。しかし、顔のない写真が、その人の尊厳を守り、社会に訴える力になるのか? 「この人を、この瞬間を、撮りたい」という思いに駆られ、「らい予防法」による人生被害を乗り越えて自ら人生を輝かせて生きようとする人たちの姿を伝える。6月6日から東京都港区で写真展も開かれる。

■本「生まれてはならない子として」(宮里良子著、毎日新聞社)=5/22読書面

■震災関連

【群馬】障害示すカード、被災の障害者に配布へ 前橋のNPO(5/7)
 東日本大震災で被災した障害者を支援しようと、群馬県前橋市のNPO「ガンダム」が6日、障害者であることを示すカード100枚をNPO・ボランティアサロンぐんまに提供した。被災地に送られ、障害者に配られる。 カードには「視覚障害」「聴覚障害」と具体的な障害や緊急連絡先、アレルギーを示す欄があり、首からぶら下げて使う。自身も視覚障害を持つガンダムの樺沢洋代表(60)が約5年前に作った。

【愛知】【この人に聞きたい】通所施設「めいほく友の家」施設長・小林正己さん(5/15)
 東日本大震災の被災地で障害者はどうしているのだろうか。日本障害フォーラム(JDF)の呼びかけに応じて、4月23日から30日まで現地で支援活動をしてきた、重症心身障害者の通所施設「めいほく友の家」(名古屋市北区)施設長の小林正己さん(55)に聞いた。小林さんは2000年の東海豪雨で、施設長を務めていた作業所が被災した経験がある。

【長崎】「放射線差別から子ども守りたい」 長崎市長、福島訪問(5/5)
 長崎市の田上富久市長が4日、福島県災害対策本部を訪れ、内堀雅雄副知事と会談した。田上市長は会談後、「放射線に関する正しい情報を提供し、いわれなき差別などから子どもたちを守りたい」と話した。

■本と映画とドラマ

◎本「災害がほんとうに襲った時阪神淡路大震災50日間の記録」(中井久夫著、みすず書房)=5/15読書面

◎本「ホームレス歌人のいた冬」(三山喬著、東海教育研究所)=5/8読書面

◎本「数字と踊るエリ 娘の自閉症をこえて」(矢幡洋著、講談社)=5/8読書面

◎映画「幸せの太鼓を響かせて」(5/11夕刊コラム「窓」で紹介)

ダウン症児 連ドラに出る(5/12)
 知的障害のある子どもたちを芸能界に送り出そうと、タレント事務所が3年前に設けた障害児専門クラスから今春、初の連続ドラマ出演者が決まった。障害者が演じるのが当たり前になることを目指した試みの、大きな一歩になる。20日に放送予定のTBS系「生まれる。」(毎週金曜夜10時)の第5話に、中心人物として登場する。

ダウン症児が命の重さ伝え、連続ドラマに初出演(5/19毎日新聞夕刊)

障害者タレント脚光 養成コース発足3年「連ドラ」デビュー(5/19読売新聞)

○DVD「昭和を切り拓いた ろう女性からあなたへ」
 ろう女性たちはどのようにして社会での活躍の場を広げてきたのか。撮影・編集はドキュメンタリー映像作家の今村彩子さん。今村さんは、東日本大震災で被災したろう者たちを取材し、上映会を開いています。

■講演と展覧会

在日朝鮮人 食の歴史
 6月4日、高麗博物館(東京・新大久保)。鄭大聲・滋賀県立大学名誉教授。在日朝鮮人としての食を中心にした体験と食生活史について。7月31日まで企画展「焼肉・キムチ大好き!-在日の食文化と日本-」も。

■アラカルト

性犯罪前歴者の面談義務付け条例化を検討 橋下知事(5/13大阪本社版)
 大阪府の橋下徹知事は13日、性犯罪の再犯を防止するために警察庁が4月から始めた性犯罪前歴者に対する面談や所在確認について、前歴者にこれまで任意だった面談などを義務づける条例を検討していることを明らかにした。

7年で400回 難病女性がオルゴール演奏会(5/14大阪本社版)
 難病を患う元幼稚園教員の女性がオルゴールに魅せられ、「たくさんの人に元気を伝えたい」と学校や高齢者施設で出前コンサートを続けている。演奏は7年間で400回を超え、15日には地元京都で珍しいオルゴールの音色を響かせる。 辻井裕美さん(54)が足の動きに違和感を感じたのは19年前。いくつかの病院を訪ねてわかった病名は、若年性パーキンソン病だった。脳内の神経伝達物質が減り、手足がふるえたり歩きにくくなったりする進行性の病だ。

【北海道】脳性まひ者サッカーの日本代表に久保さん(5/12)
 ロンドン・パラリンピック出場をかけた国際脳性まひ者7人制サッカー(CPサッカー)世界選手権が、6月17日からオランダで開かれる。同選手権に参加する日本チームに道内からただ1人、岩見沢高等養護学校3年の久保和廣さん(17)が選ばれた。サッカーを始めた12歳のときから夢見ていた「日本代表」。仲間に「無理」と言われた悔しさをバネに、6年目にしてつかんだ栄冠だ。

街角きらり /北海道拡大アイヌ民族の伝統儀式のコタンノミ=白老町
【北海道】村の安全祈るアイヌ民族伝統の儀式 白老(5/8)
 北海道白老町のアイヌ民族博物館で7日、コタン(村)の安全や繁栄などを祈るアイヌ民族伝統の儀式、コタンノミ(集落の祈り)があった。アイヌ民族の文化を学んでいる札幌の学生や観光客らも参加した。

【埼玉】見る・触る・聴く障害者アート NPOが新美術館建設へ(5/9)
 障害者の絵画や陶芸などの作品を展示する「あいアイ美術館」が、現所在地と同じ埼玉県川越市郭町2丁目に美術館を移転・新築する。アートを見るだけでなく、さわる、聴くなど、多様な感覚で楽しめる場をつくる。今月に着工し、来年5月のオープンを目指す。

【多摩】盲導犬の父、偉業しのぶ(5/4)
 日本の盲導犬第1号となったチャンピイをはじめ、88年の生涯に1100頭以上の盲導犬を育てた塩屋賢一さんの足跡をたどる展示会が7、8の両日、江戸川区のタワーホール船堀で開かれる。

【愛知】移動販売車のカレーにわくわく…障害者働くカフェが営業(5/14)
 障害者が働く愛知県豊橋市南瓦町の喫茶店「WAC農園カフェ」は13日、有機野菜を使ったカレーライスなどを販売する移動販売車「わくわくWAC号」の営業を始めた。平日は喫茶店前の駐車場で、土・日・祝日は豊橋市を中心に巡回し、スーパーや企業の駐車場で販売する。

【岡山】「障害者千人雇用に壁」/総社市長目標(5/14)
 5年間で千人の障害者に仕事を提供する――。3月議会でそんな目標を打ち上げた片岡聡一・総社市長の前に、深刻な雇用難が立ちはだかっている。市長は「失敗したら責任を取る」と意気込むが、事業主からは「厳しい」との声があがっている。

【徳島】外国人実習生受け入れ 事業所の9割法令違反(5/13)
 海外から技能を学びに来日した「外国人技能実習生」を受け入れる県内の事業所の約9割が昨年、時間外労働の賃金未払いや健康診断の未実施などの法令違反をしていた。徳島労働局の調査で分かった。

【高知】障害者 貧困から守れ(5/10)
 多くの障害者が高齢化や孤立化し、生活保護の水準以下の収入でやり繰りする実態を、土佐市障害者生活実態調査研究会代表の森沢允清さん(75)が報告書にまとめた。

【佐賀】追う)「福祉の足」とタクシー対立(5/16)
 割安の運賃でお年寄りや障害者を送迎する「福祉有償運送」が、タクシー業界と対立している。価格的な手頃さから需要が多い一方、タクシー業界は「収益を圧迫する」と反発する。運行開始や車両の入れ替えなどについてNPO法人やタクシー・バスの会社、運輸支局、市町が話し合う「運営協議会」は手続きが煩雑だとの指摘もある。

トップレベルの障害者陸上大会 きょうも熱戦 /大分県拡大トラック競技で激しく競り合う選手たち=大分市西浜
【大分】障害者アスリート、熱いバトル 大分陸上2011開幕(5/15)
  障害者の陸上競技大会「新日本製薬大分陸上2011」(九州身体障害者陸上競技協会主催)が14日、大分市の市営陸上競技場で始まった。車いすでの200~5千メートルのトラック競技や走り幅跳び、砲丸投げなどの競技に約100人が出場、熱戦を展開した。最終日の15日は午前10時からトラック競技の決勝などがある。

【大分】知的障害者サッカー予選会県勢、初戦敗退(5/16)
 知的障害者サッカー競技九州ブロック地区予選会(県障がい者サッカー協会など主催)が15日、大分市の大分スポーツ公園であった。佐賀と宮崎を除く九州・沖縄各県から選抜チーム6チームが出場。トーナメントの結果、大分県選抜チームは初戦で惜しくも敗退した。