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人権・校閲

こちら人権情報局

ホームドア整備を急げ

(特に注記のない場合、新聞記事の日付などは東京本社最終版です〉
〈asahi.com内の記事へのリンクについて=日付の古いものは表示されないことがあります〉

■駅ホームでまたも事故

東京メトロ有楽町線・要町駅のホームドア/駅のホームドア、普及に障壁拡大東京メトロ有楽町線・要町駅のホームドア。電車とホームの隙間が分かりやすいようガラス張りになっているのが特徴だ=東京都豊島区
 視覚障害のある人が電車のホームから転落して死亡するという事故がまた起きました(朝日新聞7月27日「全盲男性がホームから転落、電車に挟まれ死亡」)。東京都町田市の東急田園都市線つくし野駅で、点字ブロックはあるものの、ホームドアはなかったということです。7月11日にも、名古屋市営地下鉄東山線本郷駅で目の不自由な女性が線路に落ちてけがをしています(朝日新聞名古屋本社版7月12日「視覚障害の女性転落、重傷」)。

 今年1月にも、JR山手線目白駅で全盲の男性が線路に落ちて亡くなる事故があり、対策が求められていました。国土交通省は2月から「ホームドアの整備促進等に関する検討会」を開いて討議を重ねています。7月1日の会議では、首都圏の私鉄6社の利用者にアンケートした結果が報告されました。ホームドア設置の費用を「税金で一部負担」することに「そうすべきだ」または「やむを得ない」と答えた人は75%、「運賃値上げで負担」を「そうすべきだ」「やむを得ない」は65%。一方で、「負担してまで整備する必要はない」と答えた人も「税金」負担で20%、「運賃値上げ」で30%いました(国土交通省「『第6回 ホームドアの整備促進等に関する検討会』の結果について」)。

 国交省の調査では、2002~09年度のホームでの転落・接触事故は1253件。約半数は乗降客5万人以上の駅で起きており、そのうち354件は酔客によるものだったといいます(時事通信5月25日「半数が5万人以上利用駅で 電車接触事故」、国土交通省「『第4回 ホームドアの整備促進等に関する検討会』の結果について」)。自分には関係のないことだと思っている人もいるのかもしれませんが、お酒を飲んだ帰りに混雑した駅で事故を起こす(または巻き込まれる)可能性は、多くの人にあると言えそうです。

 国交省の検討会は、8月10日、1日1万人以上が利用する駅では点字ブロック(どちらがホームの内側かがわかる線のついたもの)を、1日10万人以上の駅ではホームドア等または点字ブロックを速やかに整備するようにという中間とりまとめを発表しました(朝日新聞8月11日「ホーム転落防止ドア、大規模駅に優先設置を 国が初基準」、国土交通省「『第6回 ホームドアの整備促進等に関する検討会』の結果について」)。全国約9500駅のうちホームドアを整備しているのは今年3月末で約500駅(国交省調査)です(読売新聞7月27日「全盲男性 電車挟まれ死亡」)。JR東日本は、山手線全29駅に設置を進めていますが、2013年度までに11駅と半分にも達しません。それ以外の路線については「計画は未定」(朝日新聞8月11日)とのこと。工事が一気に進まないのはわかりますが、できる限り早い対応を望みます。

■美しすぎる外相?

 パキスタンの外務大臣に33歳の女性、ヒナ・ラバニ・カル氏が就任しました。7月末のインド訪問をきっかけに各紙で取り上げられたのですが、「ファッションでインド支配」(毎日新聞7月30日)、「外交問題 美貌(びぼう)で解決!? “宿敵”インドで人気」(毎日新聞8月5日=記事は共同通信)など、政治的実力より外見に注目した取り上げられ方もされています。

 「連日の美しい着こなしぶりの方が専ら、話題になった」(毎日)、「女優を思わせる美しさと有名ブランドで固めたファッションでセンセーションを巻き起こしている」(共同)という書き方になっているのは、「ファッションや美貌にインドメディアの関心が集中」(朝日新聞8月8日「インドからも熱い視線」)という状況を伝えたものではあるのですが、見出しの付け方からは、政治家を見た目で判断することへの批判的な視線は感じられません。ネットのニュースでは「美人すぎる外相」「美しすぎる外務大臣」といったキャッチコピーも見られます。

 カル外相自身は「インドのマスコミが自らを外相としてよりも、ファッション・リーダー(fashion icon)として報道したことに強い不快感を示した」との報道もあります(インドチャネル8月1日)。パキスタン国内では、「『意思決定は軍にあり、彼女は“お飾り”だ』との声が上がる一方、好意的な意見も少なくない」(産経新聞7月28日「“お飾り”か、新風か」)とのことです。

 タイでも女性のインラック・シナワット氏が首相に就任しました。「黒髪のアジアンビューティー」(AERA5月30日号「figure」)といった形容や、「具体的な政策よりも女性らしさや変化を強調し」(読売新聞8月6日「プロフィル」)、「『インラック旋風』を巻き起こした秘訣(ひけつ)は、その親しみやすさとかわいらしさだ」(毎日新聞8月6日「キーパーソン」)といった記事も目につきました。政治経験ゼロであるインラック氏の実力は未知数であり、「親しみやすさが本人の地なのか、イメージ戦略に基づく演技なのかはわからない」(毎日)ということなので、外見だけにとらわれず、政治家としての力を見抜くことが、メディアにも求められます。

 男性の政治家でも「イケメン」が話題になることはあります。たとえば、橋本龍太郎元首相は「龍さま」と呼ばれて人気でした。しかし、「おばさま方に『龍さま~』と呼ばれ、世論受けのよい『選挙向けの顔』になる」(AERA2003年10月20日号「これなら政権交代だ!三つの条件」)、「遊説先では、決まって女性たちが『龍さま』と黄色い声を上げ」(AERA2002年2月11日号「見えてきた人気内閣の末路」)など、「実力のない政治家を外見に惑わされて支持する有権者(特に女性)」をからかうような表現が見られます。これに対し、女性の政治家については、「美貌」にとらわれる側の意識は問題にせず、「実力もないのに外見だけで地位を得ている」と冷ややかに見る書き方になりがちなように思います。

 女子サッカー「なでしこジャパン」の活躍は記憶に新しいところですが、日本の政治の世界では、蓮舫氏が行政刷新・消費者担当相を退いたため、内閣に女性が一人もいなくなってしまいました。管理職につく女性が少ないことについては、「課長以上の10%目標 育児との両立など課題」(読売新聞7月27日)、「働く女性『なでしこ』に続け 均等法25年、道まだ半ば」(日経新聞7月31日)などが取り上げています。

 朝日新聞8月12日「私の視点」では、岩本美砂子・三重大教授が、(1)女性の衆院議員は10.9%で世界130位あたり(2)国家公務員の課長級の女性は2%台(3)競技団体の意思決定に女性が少ないことが女子スポーツ振興のアキレス腱(けん)になっている、などの点を指摘し、「なでしこジャパンの活躍にあやかりたいのなら、新内閣は女性の進出が遅れている分野の変革を推進するという強い決意をぜひ持ってほしい」と述べています。

■交通バリアフリー

大阪駅北側に仮設エレベーター設置へ バリアフリー対策(7/29大阪本社版)
 JR西日本は28日、大阪駅北ビル2階の「アトリウム広場」と地上を結ぶ仮設エレベーターを12月末に設置すると発表した。これまで仮設の階段しかなかったため、障害者団体などからバリアフリー化してほしいと要望されていた。

拡大ゆったりした車いすエリアで観戦する速水節子さん(右)と介助者。阪神の満塁本塁打に拍手して喜ぶ=7月27日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場
【三重】車いす満足 改修甲子園 観戦バスツアー(8/3)
 名張市在住の車いす利用者9人を中心とする35人が、車いすごと乗車できるリフト付き大型バスを使って阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)のナイター観戦ツアーに出かけた。2010年に改修が終わった同球場のバリアフリーの改善点を確認するのも目的だ。このツアーに記者も同行した。

■障害者とスポーツ

◎全身で「音」を感じて 聴覚障害の女性、プロボクサーに(7/31)
 生まれつき耳が聞こえない小笠原恵子さん(31)=東京都板橋区=が、女子プロボクシングの選手になった。いじめや不登校を経験し、すさんでいた青春時代にボクシングと出合い、プロになる夢をかなえた。

拡大力投する助口脩登投手
【和歌山】不自由な聴覚で初のマウンド 伊都・助口投手 和歌山大会(7/30)
 生まれつき両耳がほとんど聞こえない伊都の助口脩登(すけぐち・しゅうと)投手(3年)が、初めて和歌山大会のマウンドに上がり、智弁和歌山打線に立ち向かった。助口投手は小学2年生から野球を始めたが、普段の練習では補聴器が欠かせない。チームメートは指の形で50音などを表す「指文字」を覚え、意思を通わせる。

【愛知】スペシャル五輪「金」(7/28)
 ギリシャのアテネで開かれた知的発達障害者の五輪「スペシャルオリンピックス」(SO)夏季世界大会で、愛知県小牧市の岡元彩子さん(26)が、ボウリング女子団体の金メダルを獲得した=写真。2009年にあった冬季世界大会では銅メダル二つだった岡元さんにとって、念願の「金」。現地では思わぬ入院もあったものの、「本当にうれしいです」。

■本

「こぶたろうの挑戦! 前編 ハンドサイクル日本一周分割の旅」(神原史直著、旅的電子書籍制作所)=電子書籍
 生まれつき下半身が不自由な兵庫県尼崎市の会社員神原史直(かんばら・ふみなお)さんは、2010年12月24日、手こぎの三輪車「ハンドサイクル」での日本一周の旅を終えた。総走行距離は計1万3366キロ。2007年10月から休日を利用し、海岸線の道を小刻みに区切りながら約3年2カ月かけて完走した(朝日新聞2010年12月25日阪神版「両腕で日本一周」)。全国を巡りながらつづったブログが電子書籍になった。

■アラカルト

痴漢で任意同行「強制的で違法」 大阪地裁、懲役刑回避(8/3大阪本社版)
 痴漢をしたとして大阪府迷惑防止条例違反の罪に問われた30代の男性被告について、大阪地裁の伊藤寛樹裁判官が「府警が強制的にパトカーで連行しており、捜査は違法だった」と指摘し、懲役4カ月の求刑に対して罰金50万円の判決を言い渡したことがわかった。弁護人の西園寺泰弁護士によると、被告は昨年8月に商業施設で女性の体を触ったとして、現場近くで八尾署員に任意同行を求められた。被告が「何もしていない」と拒否したところ、署員2人からパトカーに乗せられたという。

全国障害者将棋大会、9月4日に開催(8/2)
 第24回全国障害者将棋大会が9月4日午前10時から、東京都北区王子1丁目の「北とぴあ」で開かれる。

◎読者から 障害者と接し前向く(7/31)
 札幌市のパソコン講師の投稿。自身も筋力が衰える難病を抱えるが、障害者向けのボランティア活動を続けている。「前向きな障害者と接していると、障害があっても人は満足のいく人生を送ることができると考えられるようになる」「彼らの姿に触れ、彼らの役に立つことで、人は前向きになれる」

◎ユーチューブに日本語字幕サービス 米グーグル(7/16)
 米グーグルは15日、インターネット動画投稿サイト「ユーチューブ」で、聴覚障害者向けの日本語字幕サービスを始めたと発表した。動画の中で日本語が話されると、自動的に認識し、画面上に字幕として表示されるようにした。

日韓市民支援、強制労働伝えるマンガン記念館再開 京都(7/4)
 戦時中の強制労働の歴史を伝えようと開館したものの、来館者が減って2年前に閉館した丹波マンガン記念館(京都市右京区)が7月3日、再オープンした。日韓両国で支援の輪が広がり、1千万円以上の再建資金が集まった。

【北海道】樺太アイヌの額飾り「ホホチリ」 国内確認(8/5)
 樺太アイヌ特有の古い風習として伝えられながら、現物を国内で確認できていなかった男児の額飾り「ホホチリ」が見つかった。寄贈された同記念館(札幌市厚別区厚別町)が、5日から開催する「千島・樺太・北海道 アイヌのくらし」特別展で、初めて一般公開する。

拡大北海道外のアイヌ民族や専門家らによるシンポジウム=7月31日、東京都港区
【北海道】道外のアイヌ民族政策 都内でシンポ(8/1)
 「総合的なアイヌ民族政策はどうなるのか」と題するシンポジウムが31日、東京都内であった。アイヌ民族の政策を具体的に検討する政府の「アイヌ政策推進会議」が6月に作業部会報告をまとめたことを受けて開かれたが、道外に住むアイヌ民族の政策が進んでいないことへの不満を打ち明ける人もいた。

【茨城】女性とは 作品で表現 県近代美術館(7/27)
 企画展「輝く女たち――その強さ、儚(はかな)さ、複雑さ」(協力・朝日新聞水戸総局)が30日、水戸市の県近代美術館で開幕する。主に近代の男性作家、現代の女性作家の「女性」をテーマとした作品計98点を展示する。異なる性の目と心に映った女性像を比べ、「女性とは」と問いかけてもらう試みだ。

【埼玉】細く長く 被災者支援寄席(7/29)
 白岡町のJR新白岡駅前にあるラーメン店「天下御麺」で31日、東日本大震災の被災者支援の寄席「結(ゆい) 寄り添って日本」が開かれる。経営者は元養護学校長で、長く支援を続けたいという出演者の要望で店を提供した。義援金に充てる今回のチケットは売り切れたが、今後も続けるという。

【多摩】居場所ない子に安心の場 学習支援の部屋(7/29)
 学習支援を通じて、家や学校に居場所がない子どもたちが安心して過ごせる場所を作ろうという取り組み「鷹の子の部屋」が来月、三鷹市で始まる。精神的に孤立している子どもたちを地域で支え、児童虐待の発見にもつなげようとする試みだ。

【石川】ハンセン病問題 解決誓う(8/1)
 金沢市出身の元ハンセン病患者で2005年に85歳で亡くなった歌人・浅井あいさんの七回忌が31日、同市若松町の奥卯辰山墓地公園であり、県内のハンセン病患者支援者ら約30人が参列した。

【石川】詩は生きる証し(7/26)
 筋肉が衰える難病・筋ジストロフィーと闘っている詩人の四方健二さん(43)が、詩集「夢幻飛行」(郁朋社)を出版した。「詩は生きた証し」。病院で日々の生活を送りながら、身近な出来事や過去の思い出などを題材に生きる喜びをつづっている。

【静岡】盲導犬の歴史学ぼう(7/28)
 夏休みに盲導犬のことを学んで欲しいと、富士宮市人穴の日本盲導犬総合センター(富士ハーネス)で、「楽しく学ぶ盲導犬学校」が始まっている。日本に初めて盲導犬が導入された歴史を紹介する展示や、視覚障害について知る展示コーナーなどが開設され、盲導犬に関するクイズラリーも行われている。同学校は8月31日まで。入場無料。水曜休館。

【三重】ハンセン病 支援に尽力(8/5)
 県が1965年から行っているハンセン病療養所入所者の里帰り事業に、開始当初から協力してきた民間の男性がいた。名張市で土産店を経営してきた故・寺田一郎さん。2年前、食道がんのため88歳で亡くなったが、遺志を継いだ弟が交流活動を続けている。

拡大船に乗り込む子供たち=津市なぎさまち
【三重】養護施設の児童 伊勢湾クルーズ(7/31)
 児童養護施設の子どもたちに船の遊覧を楽しんでもらおうと、津市なぎさまちと中部空港を結ぶ高速船の予備船「まつかぜ」で30日、伊勢湾クルージングの催しがあり、児童ら約50人が楽しんだ。

【鳥取】伯耆でゆめ再興 女川で被災の食品工場(7/28)
 東日本大震災で工場が全壊した宮城県女川町の食品製造業、阿部雄悦(ゆうえつ)さん(70)が再起をかけ、約800キロ離れた伯耆町に工場を移転した。全国の障害者福祉作業所にかりんとうの生地を供給しており、再開を心待ちにしていた作業所に製品が届き始めた。阿部さんの会社は冷凍保存による品質劣化を防ぐ酵素の特許を持っており、15年ほど前から障害者の作業所用にかりんとうの冷凍生地作りを始めた。各作業所ではその生地を油で揚げ、製品として販売している。作業は簡単、商品の売れ行きも良いと、評判は口コミで広がり、取引先の作業所は全国約40カ所に及ぶ。阿部さん自身も、昨年12月に女川町内に作業所「きらら女川」を設立し、障害者支援に乗り出していた。

拡大教職員が三つのグループに分かれ、生徒をどう保護するかなどを話し合った=高知市本宮町の市立養護学校
【高知】障害ある子の防災考える(8/5)
 障害がある児童や生徒の防災教育や大震災時の保護について考える研修会が2日、高知市本宮町の市立養護学校であり、同校の教職員約60人が参加した。土佐病院(高知市)職員の伊藤英助さんが講師を務めた。伊藤さんは10年ほどにわたり、防災活動を通して障害者と地域の関係づくりを進めてきた。5月には宮城県で障害者の支援活動に参加した。

○読売新聞 逆光の一瞬に魅せられ 聴覚障害者の写真家 初個展(8/3)

○毎日新聞 節電の街から:東日本大震災 体温調節、弱視…障害者に配慮を(8/1)

○時事通信 改正障害者法が成立=投票所バリアフリー化(7/30)

○毎日新聞 B-1グランプリ:障害者支援するボランティアを募集/兵庫(7/29)

○毎日新聞 障害者総合福祉法:「サービス無料に」 推進会議が素案(7/26)