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人権・校閲

こちら人権情報局

金メダリストの逮捕

山村 隆雄

■指導者による女子選手へのセクハラ

 柔道のオリンピック金メダリストが、指導する女子柔道部員へのセクハラなどを理由に大学を懲戒解雇され(11/30朝刊)、さらに準強姦(ごうかん)容疑で警視庁に逮捕される(12/6夕刊)という衝撃的な事件が起きました。

 スポーツ界では2000年ごろにも男性指導者による女子選手へのセクハラ・性暴行事件が相次ぎました。そのため、02年6月に全国高校体育連盟(高体連)が指導者規定を新設し、セクハラや体罰防止のため「人権の尊重に十分配慮して指導に当たる」との原則を明記したのを始め、同年9月には日本陸上競技連盟が「倫理に関するガイドライン」を作成、さらに04年には日本体育協会もガイドラインを定めました。

 12月14日読売新聞朝刊「女子選手と指導者 セクハラ対策 強化必要」によると、「国際オリンピック委員会(IOC)も2007年に『スポーツにおけるセクハラと性的虐待についての合意声明』をまとめ、『すべてのスポーツ団体が対策を講じるよう』促した」が、「日本ではまだ放置されたまま」で「国内では、日本体育協会や、日本陸連など一部競技連盟がセクハラを含む倫理指針を持つが、まだ少数派」だそうです。

 また、12月7日朝日新聞朝刊「女子選手保護へ、指針急げ」によれば、「今年制定されたスポーツ基本法では、『スポーツを行う者の権利保護』が定められた。体罰を含め、指導者の地位を利用した問題が相次ぐことも背景にある」。この記事ではさらに女子選手を性的な嫌がらせなどから保護するために「早急にガイドラインを作るなどの対策を取るべきだ」と提言しています。

 このような声を受けてか、日本オリンピック委員会も対策に乗り出し、新たな指針を作成することを決めました(12/20日刊スポーツ)。

 毎日新聞は12月21日に社説「スポーツセクハラ アスリートの人権守れ」を掲載。「今回のケースは氷山の一角であり、問題の根絶に向け、競技団体は実績だけでなく『資質』も重視した指導者教育、研修を徹底してほしい。競技人口に比べて圧倒的に少ない女性指導者を育成、登用することも重要かつ急務だ。企業が導入している内部通報制度を参考に厳しい罰則処分を科すことも検討してほしい」としています。

(山村隆雄)