メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

文字

観字紀行

「釜」か「竈」か~北へ西へ~ 塩釜編後編

薬師 知美

拡大
 「釜」「竈」を探して来た宮城県塩釜市。「釜」のみならず、「塩」「鹽」という漢字にも出会いました。これらの漢字を求めて、今回は市内を巡ろうと思います。

 まず、やってきたのは本塩釜駅にある観光案内所。レンタサイクルを借ります。前輪が二つある「トライク」という三輪自転車があったので、これに乗ることに。普通の自転車とは乗り方が少し違うようで、乗るコツと注意点を10分間の教習ビデオで勉強し、出発です!

拡大これが「トライク」
 市役所にやってきました。総務課で話を聞くと、いろいろな表記(鹽竈、鹽釜、塩竈…)がされてきたのを、市制に移行した1941(昭和16)年に「塩竈市」の表記に決めたということでした。

 市としては公用文に「へっついの竈」(私は「難しいほうのカマ」などと言ってしまったのですが、市役所の方はこう呼んでいるようです)を使いますが、市民や他の官公庁が「塩釜」と書くのは一向にかまわないというスタンスだそうです。各種の組織・団体(消防、警察、商工会議所など)が名前にどちらの漢字を使うかは、それぞれにまかせているということでした。

拡大原付きバイクのナンバー
拡大商業協同組合は「釜」

 その結果、団体名には「塩釜」と「塩竈」が混在していますが、団体名を市役所作成の文書に掲載する際には固有名詞と同じように考えて、団体が使っている表記にしているとのこと。たとえば塩竈市教育委員会、塩釜市商業協同組合、塩竈市観光物産協会などです。けっこうな手間なのでは……と思いましたが、由緒ある「塩竈」の表記を受け継いでいくためには何のその、といったところでしょうか。

拡大市役所の入り口。活字とはちょっと違うような……
 市民の皆さんは「竈」の字はもちろん書けるのでしょうか? 市内の学校で教えているのか、続けて聞いてみると、「郷土の歴史を学ぶ時間などに先生が教えているはずだが、その後に使うかどうかなどは先生によりますね」という答えでした。

 市役所を出て振り返ると、門の漢字はもちろん「塩竈市役所」。だと思ったのですが、よく見ると「竈」の形が……。手書きが元になっているようで、かなり省略された形になってます。

拡大朝日新聞塩釜支局。紙面と同じ
 隣に朝日新聞の塩釜支局もありました。こちらは紙面と同じ「釜」です。

 港へ向かいます。すぐに海沿いの道になり、7月の「みなと祭り」でお神輿の海上渡御の際に使われる、竜と鳳凰(ほうおう)をかたどった御座船が停泊しています。その先のマリンゲートは松島遊覧船の発着所でもあります。乗りたいところですが、がまんして、次の機会の楽しみにしておきましょう。

拡大鳳凰(ほうおう)をかたどった御座船