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文字

観字紀行

「横綱」を探して~東京・両国 前編

永川 佳幸

 異体字や旧字――字体は違うけれど、表す意味は同じ漢字――が、全国各地でどのように使い分けられているのか。そんな疑問を解決すべく、普段は机上が戦いの場の校閲記者が全国各地を回る漢字紀行。4月でこのコーナーも1周年になるのを機に、今回は趣向を変えて旅立ちます。テーマは「表す意味は違うのに形がよく似ている漢字」。そんな異体字や旧字とは逆の漢字を求めて出発します。

拡大

 例えば「崇」と「祟」。「崇」は「あがめる」という漢字ですね。「たかし」などと読み、人名にもよく使われますが、これを間違って「祟」と書いてしまったら……。仕事がら、想像すらしたくありません。まさか、自分の子どもに「祟(たた)り」なんていう漢字をつける親はいないでしょう。ぼーっと眺めているだけだと見逃してしまいそうな違いしかないのに、これだけ意味が違うとは、実に紛らわしい。間違えたときの影響も大きく、校閲記者の天敵でもあります。「昂(あがる)」と「昴(すばる)」や、「已(やむ)」と「巳(み)」、「荻(おぎ)」と「萩(はぎ)」など、こういった似て非なる漢字を挙げればキリがありません。

 これだけあるんだから、もしかして地名でも間違ったまま使われている漢字があるんじゃないか?という素朴な疑問が今回の出発点。では、そんな淡~い期待を胸に抱きつつ、さっそく出かけましょう。

 というわけで、やって来たのはこちら。

拡大国技館にやって来ました

拡大力士像を見つけました
 何かと話題の両国です。果たして、このタイミングでよかったのか、悪かったのか。正面切って取り上げるにはまだ少し刺激的でしょうか。心なしか国技館前の通りも寂しく感じられます。とはいえ両国と言えば、やっぱり相撲なしには語れません。周辺を少し歩いただけで、相撲に関するものが次々と見つかります。

 駅前の通り沿いには、土俵入りの姿をあしらった像が並んでいます。台座部分には歴代横綱の手形も。

拡大双葉山の手形も
 これは第35代横綱・双葉山の手形です。昨年、横綱白鵬の連勝記録が話題になりましたが、彼の名前が何度も引き合いに出されていました。歴代最長となる69連勝を記録した昭和の名横綱です。