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観字紀行

「單」か「単」か 「ひだ」を歩く~後編~

奈良岡 勉

 飛地方の「」と「騨」を巡る旅も最終回。今回は岐阜県飛市を訪ねます。

拡大看板
 同県高山市中心部から宮川沿いの国道41号を車で約30分北上すると、飛市役所はすぐそこ。途中、「道の駅アルプ飛古川」があったのでちょっと立ち寄ってみます。

拡大
拡大名物・赤かぶ漬け


拡大JR駅
拡大観光案内所

 飛市古川町の「アルプ飛古川」は奥飛への玄関口にあたり、道路情報や観光案内、レストラン、そば処、売店などがあります。

 ここはすでに飛市だから、「」が使われているのではと思っていたら、看板も含めて「騨」がほとんどですね。

 続いて、飛市古川町の中心部、JR飛古川駅へ。ここも「騨」でした。

 駅に隣接する「飛市観光案内所」をのぞいてみると、……ようやく「」に出合いました。高山市と同じく観光客でにぎわっていました。

拡大市役所
拡大併設の図書館
拡大本庁舎とバス停

 駅のすぐ近くにある飛市役所へ行ってみます。

 さすがに「」で統一されています。

 これには、わけがあるんです。

 飛市は岐阜県最北の市で、高山市の北隣に位置し、市役所の標高492.84メートル。人口2万7200人(6月1日現在)。

 2004年2月1日、古川町、神岡町、河合村、宮川村の2町2村が合併して誕生しました。

 そこからさかのぼること1年3カ月。2002年11月8日、第1回「飛4町村合併協議会」に提出されたのが「新市の名称の決定方法について」でした。それによると、①合併関係町村それぞれの地域住民から募集する②町村ごとに11月20日までに集約する③第2回飛4町村合併協議会において協議し決定する、とあります。

 第2回合併協議会の11月25日に提出された「協議第9号 合併協定項目・新市の名称について」で、新市の名称を「飛市」とする調整方針が示され、満場一致で決まりました。

 それによると、表記については漢字で「飛」とする。正式な使用は「飛」とし、通常使用する場合は「飛騨」を使用しても差し支えないものとする。

 備考欄には、参考として、字体について触れていて、「騨」は「」の俗字、とあります。

 

 平たく言うと、正式には「飛」だけど、普段は「飛騨」を使ってかまわない、ということです。

 だから、市庁舎に掲げる看板には、正式な使用としての「」が使われているんですね。