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観字紀行

「太」ったり、「大」きくなったり―九州・太宰府へ(2)

桑田 真

拡大天満宮への玄関口
 「大」と「太」をめぐって福岡県太宰府市を訪れる今回の旅。太宰府市の代名詞とも言える、太宰府天満宮に向かいます。

 古代の役所は「大宰府」、市名は「太宰府」としますが、菅原道真をまつるこの神社は「太」と書きます。

拡大西鉄の太宰府駅

拡大駅前の灯籠には道真の歌が刻まれていました
 右大臣だった道真は901(延喜元)年、大宰権帥(だざいごんのそち)に左遷され、その2年後、失意のうちに亡くなりました。遺体を牛車で運んでいたところ、安楽寺という寺の境内で牛が動かなくなったため、遺体はその場所に埋葬されました。現在の本殿はその上に建てられたとされています。

拡大参拝客でにぎわう参道

拡大裏側には漱石の俳句も

 道真の死後、都では地震、洪水、火災などが起こり、左遷に関係した人々が不幸な死に方をするなど不吉なできごとが続出。人々は道真の怨霊によるものとして恐れたといいます。太政大臣の位が死後に追贈され、やがて天満天神、学問の神様として信仰されるようになりました。現在では、京都の北野天満宮や東京の湯島天神など、全国に「天神さま」道真をまつる天満宮があります。太宰府天満宮はその総本社です。

 天満宮の玄関口・西鉄太宰府駅へは、市役所から車で10分ほど。こちらも趣を感じさせる外観です。駅前のロータリーには石碑や灯籠(とうろう)があり、道真や夏目漱石の歌が刻まれていました。

拡大太宰府天満宮を中心に整備されています
拡大こちらは「太宰」整骨院
拡大梅ケ枝餅を売る店がそこかしこに
拡大焼きたての梅ケ枝餅
拡大市内の情報を得られる太宰府館
拡大参道の店は軒並み「太」宰府


 天満宮へと続く300メートルほどの参道には、土産物店や食堂などがぎっしりと立ち並びます。中でも目を引くのが、「名物 梅ケ枝餅」の看板。鉄製の焼き型を裏返すカタカタという音が、あちこちから聞こえてきます。お店に入ってひとつ注文。香ばしい焼きたての梅ケ枝餅が運ばれてきました。米の粉でつくったもっちりとした生地に、ほどよい甘さのあんこが入っています。熱々の餅をほおばり、抹茶をいただくと、猛暑の中を歩いた疲れも忘れるようでした。

 

拡大「大」宰府と大で書かれています
拡大手書きの看板も「大」

 土産物店の看板は、天満宮に合わせているためか表記は軒並み「太宰府」。そんな中、「石ころ館 大宰府店」というお店を発見しました。のぞいてみると、パワーストーンや誕生石を使ったかわいらしいアクセサリーが並んでいました。

 お店の方になぜ「大宰府」としているのか尋ねたところ、「太宰府天満宮やいまの市の名前ではなく、昔からある『大宰府』の雰囲気を出したかった」ということでした。

拡大心字池にかかる二重橋
 緩やかな上り坂をすすみ、最初の鳥居をくぐって境内に入ります。冒頭で紹介したエピソードにちなんだ牛の彫刻があり、心字池には二重橋がかかっていました。庭園や喫茶店もあり、飽きることがありません。

拡大大伴旅人の歌碑
拡大参拝客が触るため角はピカピカ
拡大天満宮ではすべて「太」が使われていました
拡大1千年以上の伝統があります