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観字紀行

「太」ったり、「大」きくなったり―九州・太宰府へ(2)

桑田 真

拡大九州国立博物館へと続くトンネル
拡大ユニークな外観の九州国立博物館

 しばらく進むと、宝物殿の奥に小高い山があり、トンネルが造られていました。2005年10月にオープンした九州国立博物館へ続いています。東京、京都、奈良に続いて国内で4番目に造られた国立博物館です。

 エスカレーターを乗り継ぎ、20メートルほど登るとガラス張りの建物が見えてきました。かまぼこのような、巨大な水滴のような、不思議な外観です。サッカー場が入るほどの大きさで、一番高いところは36メートルあるそうです。あいにくこの日は時間がなく、アジアと日本の文化交流史がテーマという展示をみることはできませんでしたが、入り口に博多山笠の飾り山(山車)が展示してありました。

拡大だざいふ遊園地
 国立博物館から戻ってくると、「だざいふ遊園地」の文字を発見。なんと境内に遊園地までありました。こちらはひらがな表記です。天満宮や博物館を見ながらメリーゴーランドや観覧車に乗るのも、なかなかオツなものかもしれませんね。

拡大かわいらしい道真くん?も
 寄り道もそこそこに、太宰府天満宮の本殿へ。道真は言わずとしれた学問の神様。「志望校に合格できますように」などと書かれた絵馬が鈴なりになっていました。福岡県内、九州各県はもとより、関西、関東から来た中高生のものもありました。

拡大本殿は国の重要文化財です

拡大都から一晩で飛んできたという「飛梅」
 現在の本殿は安土桃山時代の建築様式だそうです。本殿の前には、道真を追って飛んできたという「飛梅」がありました。左遷が決まった道真は、京都の自宅の庭の梅との別れを惜しんで

「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」

とうたいました。あるじを慕い、梅の花は一晩で太宰府にまで飛んできたといいます。この飛梅のほかにも、全国から献上されるなどして境内には約200種、6千本の梅の木があるそうです。次回はぜひ梅の咲くころ訪れたいと思いました。

拡大伝説が今も語り継がれています
 梅は太宰府天満宮の象徴です。参道付近には「梅ソフトクリーム」を売るお店や「太宰府梅冷麺」というメニューがあるラーメン店もありました。太宰府市の花でもあり、太宰府駅前の道路にも梅をモチーフにしたブロックがありました。

拡大歩道には梅をモチーフにしたブロックも
拡大天満宮一帯の住所は「宰府」

 天満宮付近は「宰府○丁目」という住所でした。このあたりが「宰府村」だったことの名残です。市内にはほかにも、「都府楼」「朱雀」「水城」といった歴史を感じさせる住所が残っています。この日泊まったホテルの住所は「連歌屋」で、江戸時代まで連歌(短歌の上の句と下の句を交互に詠みつぐ)の会所があったことに由来するそうです。

 天満宮詣では、この辺りにしましょう。実は「大」と「太」を使い分ける町が、福岡県内にもう一つあります。次回は、大刀洗町に足を延ばします。

(つづく)

(桑田真)

(次回は10月7日に掲載予定です)