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観字紀行

全国各地で銀ブラしてみた~東京・戸越編

永川 佳幸

拡大繁華街の代名詞「銀座」

 国内最多14基の原発が集中する福井・若狭地方。この地を指して使われる言葉が「原発銀座」です。東日本大震災後、よく目にするようになりました。悲惨な事故を起こした原発と、日本随一の繁華街である東京・銀座のきらびやかさが結びつかず、個人的には違和感のある言葉です。

拡大銀座の中心地、4丁目交差点

 この「○○銀座」。朝日新聞の過去の記事を調べてみると、「物流銀座」「竜巻銀座」「病院銀座」「断層銀座」など、「原発銀座」以外にもさまざまな場面で使われています。辞書の「銀座」の項に、このような用法ははっきりと紹介はされていません。それでも、観光客や買い物客でにぎわう銀座のイメージのせいか、1カ所にモノが密集している様子が何となく伝わってしまう不思議な言葉です。

 日本広しといえども、ものの例えに使われる地名というと多くはありません。「銀座」の魅力は何なのか。一地名に過ぎなかった銀座がその枠を飛び越え、日本中で知られる言葉に成長していった歴史に触れながら、各地を歩きます。

 繁華街の代名詞的存在である東京・銀座。そんな銀座にあやかって商売繁盛を願い、全国各地で「銀座」を名前に取り入れた商店街が誕生しているのは有名な話です。その数は数百に及ぶとも言われています。この「○○銀座商店街」の第1号とされるのが、東京都品川区にある戸越銀座です。今回は、この「○○銀座」発祥の地を訪ねました。

拡大戸越中央街

 東急池上線と交差するようにして延びる戸越銀座商店街は全長約1.3キロ。関東有数の長さを誇り、沿道には飲食店からスーパー、服飾店に診療所まで、実に400軒もの店舗が軒を連ねます。三つの振興組合で構成され、それぞれが管轄するエリアごとにアーチや街灯のデザインが異なるのが特徴です。

拡大戸越銀六会

 名物はコロッケ。通りを歩くと、コロッケののぼりを掲げる店が目立ちます。小腹が空いたので、さっそくお肉屋さんに直行。店員の女性に伺うと、昔からいくつかの店舗で売られていたものを「戸越銀座コロッケ」として商店街を挙げて売り出すようにしたそうです。レシピなど作り方に特に決まりはないそうで、各店舗がそれぞれの個性を生かしたオリジナルの味を提供しています。

拡大揚げたてでホクホク

 メニューにはポテトコロッケ、カレーコロッケ、クリームコロッケ……、いろいろな種類が並びます。おすすめを尋ねると、「お兄さんが食べたいと思ったものがおすすめ」と粋な返し。味に自信があるからこそ言える答えです。