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観字紀行

まぎらわしい地名を歩く~「あべの」編(2)

拡大(左上)あべのハルカス展望台から見た北側。天王寺公園が見えます (左下)南の阿倍野区側は住宅地 (右)西側の床はガラス張り

◇展望台にのぼってみた

 あべのハルカス展望台「ハルカス300」への入り口は16階。16階から、60階の展望台行きのエレベーターに乗ると、星が降ってくるようなイルミネーションとともに、現在の高さが何メートルかが表示される仕組みになっています。300メートルの表示が近づくと、星のようなイルミネーションのあたりに59、60と大きな文字が現れて、乗り合わせた人たちからおおっという声があがり、あっという間に60階に到着。

 展望台は大きなガラス張りでかなりの開放感。北側には天王寺公園などがあり、西側の床の一部はガラス張り! そして南側が今回のテーマである「阿倍野」区のエリア。阿倍野区側には住宅地が広がっています。

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 ちょっと変わった風景の楽しみ方もあるようです。階下の窓の中央に通天閣が入るベストポジションを教えてもらいました。

 58階には吹き抜けになった「天空庭園」があり、カフェスペースなどもあります。取材に行ったのが10月末で、ハロウィーンの飾り付けも。飾り付けに見られるキャラクターは「あべのべあ」、ひらがなです。

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 遊んでいるばかりではいけません。「あべのハルカス」の「あべの」はどうしてひらがなになったのでしょうか。事業主である近畿日本鉄道(近鉄)の秘書広報部に尋ねてみました。
 「あべの」と名付けたのは建設地区が阿倍野区だったから。地名の表記は「阿倍野」「阿部野」「あべの」と様々であり、近鉄のほかの商業施設や「あべのキューズタウン」なども「あべの」とひらがなで名付けているのを参考にして、ひらがな表記を採用したとのこと。そう言われてみれば商業施設にはひらがなが多いような気もします。

◇「阿部野」は分が悪い?

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 大阪市営地下鉄谷町線や阪堺電気軌道上町線には「阿倍野」駅があります。天王寺駅から1駅、谷町線に乗って向かってみることにしました。
 阿倍野駅で地下鉄を降りてびっくり、出口案内に「あべのハルカス」とあるではありませんか。さっきまでそこにいて、地下鉄に乗ってきたのに……。
 地上に出てみてさらにびっくり。目の前にあべのハルカスがどんと見えます。思った以上に近そうなので、帰りは歩いてみることにします。

 まずは駅の名前をじっくり味わいます。ここは区と同じ表記の「阿倍野」。

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 大阪市交通局によると、「あべの橋」バス停と同じくここも所在地や最寄りの交差点名に由来しているもので、その表記を踏襲しているということのようです。たしかに最寄りの交差点は「阿倍野」(谷町線の駅名表示板の下に、交差点名が小さく写っています)。阿倍野駅の所在地は「大阪市阿倍野区阿倍野筋」あたりです。

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 阿倍野筋を北上して大阪阿部野橋駅方面に戻ります。左手に「あべのキューズモール」が見えます。
 そこへ「あべの橋」行きの市バスが通りかかり、慌てて撮影。バス停だけでなく、当然ですがバスの行き先表示もひらがなでした。
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 大阪阿部野橋駅そばの「阿倍野歩道橋」も区と同じ「阿倍野」。表記として「阿部野」はなんとなく分が悪そうです。

(竹下円)

※次回は2015年1月23日に更新します。