「めばちこ」ができた――患者から初めて聞いたとき、ある医師は「印象の強い不思議なことば」と感じ、またあるスタッフは「魚の名前かな」と思ったそうです。出身が地元でない医療スタッフの多くは、何のことか見当もつかなかったと振り返ります。

 「めばちこ」という正体不明のことばは何でしょうか。答えは、まぶたに出来る小さな腫れ物(麦粒腫)の呼び名です。東京で言う「ものもらい」が大阪では「めばちこ」? 同じ症状でも地域によることばの違いに驚いた東京出身の看護師。地元の医師と患者のやりとりを耳にして気づいたそうです。

 兵庫や奈良、和歌山でも主に「めばちこ」、京都や滋賀では主に「めいぼ」と呼んでいると、地元の医師らは言います。「めいぼ」は、「め」の付近に「いぼ」状の形が出来ることから、見た目の状態をそのまま表現しているようです。

 昨年夏の「四国お国ことば編『体の具合は?』」に続き、今回は近畿編を紹介します。地元の医療機関に入通院する患者から「未知のことば」を聞いた、医師や看護師らはどのように感じたか、皆さんも一緒に考えてみませんか。