(12月16日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 「空気を読んでいては、空気は変わらないんです」

 これは、安全保障法制に反対する学者らが10月に開いたシンポジウムでの、ある大学生の発言です。

 10年近く前には「KY(空気が読めない)」という女子高生言葉がはやりました。見えない空気を「読む」とは不思議なことです。その場の雰囲気や状況を察しようとするときに使われる「読む」。「よむ」とはそもそもどういう意味でしょうか。

 まず頭に浮かぶのは、語句や文章をたどって理解する、あるいは声に出して表すことだと思いますが、「広辞苑」に最初にあがっている意味は「数をかぞえる」でこれが原義です。「秒読み」「票を読む」「鯖(さば)を読む」の表現に残っています。