(10月5日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 スポーツ記事での「相性」という言葉の使われ方に戸惑うことがある、とのお便りを頂きました。例えばテニスで「錦織(にしこり)圭選手は今日の対戦相手と相性がいい」というような記事。「錦織選手が勝ちそうだ」という解釈でいいのかとの質問でした。
 
 「相性がいい」は、普通は人と人の性格などが合うことを表します。「敵なのに気が合う」とも読めてしまう点に戸惑いの理由があるようです。
 
 テニスは様々な「相性」が注目される競技です。選手の感覚や過去の戦績から、芝や赤土などコートとの相性、大会との相性、ダブルスを組むパートナーとの相性、そして対戦相手との「相性」が、勝負を左右する要素の一つとして語られます。格上の相手でもプレースタイルによっては勝ちやすく、苦手意識がないような場合に「あの選手とは相性がいい」と表現しているのです。