(11月9日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 日々頂くメールやお便りで最も多いのは、「この言葉の使い方はおかしい、こう使うべきだ」という内容のものです。
 
 例えば、「了解しました」は目上に使うべきではない、成果を収めることを「結果を出す」と表現するのは誤りだ、といった指摘です。慣用句などの場合には明確な誤りといえるものもあります。しかし、一方で判断が難しいのは、言葉のもつニュアンスや用法にまで立ち入って正誤をいう場合です。
 
 そのような指摘は古来あります。例えば、約700年前、兼好法師は「徒然草」で、日常の言葉遣いが嘆かわしいものになっていく、と書いています。さらに、「車もたげよ」「火かかげよ」と言うべきところを、近年は「もてあげよ」「かきあげよ」と言う、との老人の嘆きを紹介しています。