(12月14日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 年の瀬が迫ってきました。年の瀬は、「年の暮れ、年末、歳末」を指す言葉ですが、なぜ「瀬」を使うのでしょうか。

 「瀬」は川の流れに由来します。国土交通省の河川用語集には「流れが速く浅い場所を瀬、流れが緩やかで深いところを淵(ふち)と呼びます」とあります。

 水は流れる場所の断面積が狭ければ速くなり、広く深い場所では緩やかになります。

 浅瀬なら人は立って川を渡れることがあります。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」なら、急流にのまれ、助からないと思い定めた末、窮地を脱するような場所に至ることをいいます。